野球の独立リーグのルートインBCリーグ(BC)2016シーズンは9日開幕し、10年目の節目を迎える。北信越4球団から始まったリーグは、関東、東北にも広がり8球団に。元NPB(日本野球機構)の一流選手の入団が増えたこともあり、BCの認知度は高まってきている。一方、観客動員数は右肩下がりで15、20年に向けて変化の時を迎えている。
BCは2006年、地域活性化やNPB、米大リーグを目指す若手の受け皿を作ろうと、四国アイランドリーグに次ぐ国内2番目の独立リーグとして発足。翌07年から北信越4球団でスタートした。08年に福井と群馬が加わり、15年からは福島、武蔵(埼玉)が参入。静岡、滋賀も参入を表明しており、17年には10球団になる見通しだ。
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実績も積み上げている。これまで、NPBドラフト会議で指名された選手は計24人、外国人選手のNPBへの移籍は11人。昨年のドラフトでは、過去最多の6人が夢をかなえた。
逆にNPBの第一線で活躍した選手のBC入団も増えている。外国人選手で最多の464本塁打を放ったタフィー・ローズ(富山)や大リーグ経験のある岩村明憲(福島)らが加わり、盛り上げに一役買っている。BCの村山哲二代表は「野球界でのプレゼンス(存在感)が高まってきているし、選手のプレーの質も上がっている」と手応えを口にする。
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一方、観客動員数は深刻だ。BCの1試合平均の動員数は、10年を最後に1千人を下回っている。昨季は633人で過去最低を記録。球団別では、参入1年目の福島、武蔵を除いて富山のみが一昨季から動員を伸ばした。福井は過去最低の712人だった。「元NPB選手でもビッグネーム以外なら動員につながらない。まだまだファンに魅力を伝えきれていない」(村山代表)のが現状だ。
入場料収入は球団経営にも直結するだけに、今季からリーグは魅力アップに本腰を入れる。新ルールを導入し、選手に全力疾走、全力プレーを徹底させる。村山代表は「高校野球がそうであるように、ひたむきなプレーがきっと動員にもつながるはず」と語った。
NPBの力も借りる。今季は全8球団が巨人3軍と6試合ずつ対戦するほか、計64試合を組んだ。村山代表は「NPB球団がない地域にしっかり独立リーグ球団を残さないといけない。変化を恐れず、ファンが楽しめる環境をどんどんつくっていきたい」と力を込めた。