香川県、男木島。山の上の神社、ちょっとキツネっぽい顔つきの三毛猫。
この三月末、旅をしてきました。福井から沖縄まで、有名なねこスポットを渡り歩き、ねこに出会う旅です。
旅に出るとき、どんなカメラを持って行くかはいつもギリギリまで悩みます。今回、たまたま出発直前に、岩合光昭さんの『猫にまた旅』を買ったのです。岩合さんがフィルムカメラで撮ったねこの写真集です。
この写真集を見て、「ねこをフィルムで撮ってみたい」という気持ちが止まらなくなりました。そんなわけで心は決まり、かばんにフィルムカメラを突っ込んで撮ってきました、西日本各地のねこです。カメラはFM3A、レンズはPlanar 1.4/50、フィルムはPortra400。
京都の哲学の道、若王子近辺。
朝日を浴びながら毛繕い。
梅宮大社@京都、神社によく似合うしろねこ。
男木島。昼に寝るから昼寝である。
男木島は、「ねこの群れ」に会える場所。
高台から街を見下ろす。すぐ先はもう海。
香川の佐柳島。海沿いの防波堤に沿って並ぶ。
当然、防波堤に乗ることもある。
「全く隠れる場所がない路上」でスヤスヤ眠れてしまうのは、島のねこの特徴らしい。
沖縄、竹富島。たぶんきょうだい、ブルーとイエローの眼。
完全に拒否はしてないけど、完全に心を開いてるわけでもない表情。
竹富島のビーチ。青い空、白い砂浜、くろねこ。
ねこだけを撮ることは、まあできなくはないんですよ。でも岩合さんは、その土地のその土地らしい光景を背景に、その場にいるねこの自然な表情を撮るんです。どうしてねこがそこに来てくれるの?どうしてそんな自然な表情をしてくれるの?
岩合さんは19mmとか28mmとかを使って撮ってるんですが、そんな広角レンズだともう、ねこの鼻先でカメラ構えないとダメなんですよ。どんなチート技術を使えば、ねこの鼻先でカメラ構えて背景を見ながら構図を決めてピントを合わせつつねこがいい表情をした瞬間にシャッターが切れるのか。凄いなあ凄いなあ。
そんなわけで、本当に楽しい体験でした。「自分がフィルムMFでよそねこが撮れる」ってのもすごく嬉しかったし、「もっともっともっとうまく撮れる人がいる」ということがよくよくわかったことも良かった。願わくばいつか、もう一度こういう旅ができたらいいなあと思います。