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 甘利明・前経済再生相をめぐる現金授受問題で、東京地検特捜部が8日、都市再生機構(UR)などに捜索に入った。この問題をめぐっては、あっせん利得処罰法や政治資金規正法に違反する疑いが浮上している。

 捜索を受けたのは千葉県印西市のUR千葉業務部と、URと道路建設をめぐって補償交渉をしていた千葉県白井市の建設会社「薩摩興業」。UR千葉業務部の建物は8日夜、明かりがついているものの、窓にはブラインドが下ろされていた。

 薩摩興業の総務担当者の一色武氏(62)によると、一色氏は2013年ごろから補償交渉に関わり、甘利氏の公設秘書(当時)に口利きを依頼。URから同社への約2億2千万円の補償契約が決まった後の13年8月20日、秘書に現金500万円を手渡した。甘利氏本人にも13年11月14日に大臣室で現金50万円、14年2月1日には甘利氏の地元の神奈川県大和市の事務所で50万円を手渡した。

 計600万円の現金授受については甘利氏も1月下旬、大臣の辞任を表明した記者会見で認めている。

 一色氏は、この現金授受について、秘書らによるURとの補償交渉への介入と、約2億2千万円の補償金の支払いが実現したことに対する謝礼の意味だったと証言している。実際に介入があり、現金授受がその見返りであれば、あっせん利得処罰法に抵触する疑いがある。