生乳の取り引き制度 廃止求める意見書決定

牛乳などの原料となる生乳を巡って、政府の規制改革会議が、農協の連合会などが流通をほぼ独占する今の制度の廃止を求める意見書を決定したのに対し、自民党などからは反対する意見が出ており、今後、議論が活発化する見通しです。
牛乳やバターなどの原料となる生乳を巡っては、法律で指定された10の農協の連合会などが、国内の生産量の97%を集めて乳業メーカーと交渉し、事実上生産量や価格を決めるなど、流通をほぼ独占しています。
これについて政府の規制改革会議は、現在の生乳価格は生産者にとって低く抑えられており、生産者の所得向上に向けて、生産量や販売ルートをみずから選べるようにするため、農協の連合会などが流通をほぼ独占している今の制度の廃止を求める意見書を決定しました。規制改革会議は今後、農林水産省と調整したうえで、この意見書を、6月をめどに取りまとめる答申などに反映させたい考えです。
菅官房長官は8日の記者会見で、「酪農家の所得向上を図って後継者不足などの問題に対処していくことが、極めて根本的に重要であり、どのような制度の見直しが必要か、与党とも相談してしっかり検討していきたい」と述べました。
これに対し、法律で指定された団体の1つの北海道のホクレン農業協同組合連合会の会長が、森山農林水産大臣に制度の維持を要請したほか、自民党の小委員会も廃止に反対する方針を確認するなどしており、今後、議論が活発化する見通しです。