第3部「アセットアロケーションの考え方ってどうすればいい?」
■ 主なアセットアロケーションについて紹介
1.時価総額比率・読んで字のごとく、時価総額の大きさで比率を決定
・自分で決めるというよりは市場の実態に合わせるといった方法
・会場の約60%はこれを採用
ちんあお注;私はこれ。自分の予想や判断を極力減らしたいので
2.ミーンバリアンス
・各アセットクラスの期待リターン、リスク、相関係数を用いて効率的なバランスを求める方法
・GPIFが採用
・会場の約30%はこれを採用
ちんあお注;きっちり計算して決めるってこと
3.均等配分
・各アセットクラスを等配分でもつという方法
・会場の約10%はこれを採用
ちんあお注;最もわかりやすい方法
■ 印象的な発言
・アセットアロケーションでパフォーマンスはほぼ決まってしまうという話は本当(小松原氏)
・時価総額比率とスマートベータとの比較はアセットクラス内での話。世界の株式に投資をする中では分けて考える(小松原氏)
・バンガードでは時価総額比率以外はアクティブというくくり(金野氏)
・スマートベータはあきらかにアクティブ(山崎氏)
・時価総比率はみんなが同じようなリスクリターンをもつというときに最適。でも実際はちがう。必ずしも投資家にとって得かどうかは疑問(山崎氏)
・ただし平均値を持つというというのはゲームとしては有利(山崎氏)
・リスクのインパクトは金額で把握することが大事(山崎氏)
・時価総額比率のETF、VTは次を当てることなくリアルタイムで持つことができる。ダメな国の比率は自動的に縮小(金野氏)
・VTはちょっと為替リスクが大きいかなあ。ただ、自分の稼ぎを円建ての資産とした場合は、最適な1本ともいえる(山崎氏)
・変動幅は2標準偏差で考えるべき(小松原氏)
・アセットクラスの違うものを等金額や時価総額でもつのはいかがなものか(小松原氏)
ミーンバリアンスについて
・データについて、期間をどれくらいでとるかで異なってくる。期待リターンもはっきりしない。みんななんとなく決めている。期待リターン=希望リターン(山崎氏)
・判断のための枠組みとしてはいい。ただし扱い方は難しい(山崎氏)
・各アセットクラスのリスク水準は過去とほぼ同水準(小松原氏)
・ボラティリティは新興国株30、先進国株20、リート20、先進国債券10、国内債券5(小松原氏)
・期待リターンはリスク×0.3とか0.4。超長期ではこんなもん(小松原氏)
・リスク許容度さえきまればあとは自分で決められる(小松原氏)
・リスク許容度の把握方法として、現実的で具体的な例をあげる。例えば「あなたが積立をはじめてから、1年経った2016年●月に大暴落が起こりました。そのときあなたはどうします?積立を続けることができますか」みたいな。劇場型で話す(カン氏)
・タクティカルアセットアロケーション(機動的にアセットアロケーションを変更すること、またはその手法をとるファンド)は透明性が足りない。コストが高く付く。なかなかピタピタ当たらない(金野氏)
・タクティカルアセットアロケーションははインチキな忍術みたいなもの。右足が沈むまえに左足を上げれば水の上を歩けるみたいな(山崎氏)
・予想(よそう)は反対から読むと嘘よ(うそよ)になる(山崎氏)
・債券の金利が高い時、低い時によりアセットアロケーションの期待リターンは変わる。また、経済環境により変わる(小松原氏)
・債券のリスクは長期でも大きくは変わりないが、期待リターンは違う。今の金利の低い時に過去のリターンを当てはめるのは全く無意味。これはバンガード創始者ジョンボーグルも言ってる(小松原氏)
・アセットアロケーションを固定するってことはそこに判断が入っているってこと(山崎氏)
・均等配分のアセットアロケーションは、イメージとしてはバランスとれてそうだが、全く無意味(小松原氏)
・ただし意味がないというのはアセットアロケーションのお話。S&P500の銘柄を均等配分したものについては、小型株を多く持ちたいと言うという投資家にはアリ(小松原氏)
・スマートベータについては、いいものもあるしわるいものもある。それも時期によって違う。いつもいいとは限らない(小松原氏)
・損できる3倍の額まで投資してよい(山崎氏)
・例えば1000万円持っていて300万円(30%)損できる人のリスクは15%に抑える必要。その範囲内で色々組み合わせればよい(小松原氏)
・バンガード入る前は個別株をやっていたが負けていた。セゾンバンガードグローバルバランスファンドでようやく成功体験ができた(金野氏)
・(山崎氏は何をしている人か?という質問に対して)楽天証券ではたまたまかってしまった番犬。オフィスは月に1回行くくらい。正しくて面白いことをたくさんの人に伝えたい。収入源を分散(山崎氏)
・(どのアセットクラスが最もパフォーマンスがよかったかは毎年変わるから均等配分もアリでは?という質問に対し)確かに割安で仕込めるかもしれない。ただし株は時価総額がよい。VTみたいな(金野氏)
・(同じ質問に対し)分散は重要だが均等配分がいいとは限らない(小松原氏)
・(同じ質問に対し)均等配分はリバランスによって下がったものアセットクラスを買うのことになるので、「下がったものは上がりやすい上がったものは下がりやすい」」という感覚を持った人にはいい。ただし等金額にこだわる必要はない(山崎氏)
感想
ためになり、無茶苦茶面白かったです。
この記事をまとめながらも楽しんでいました。
カン氏の名司会っぷりは健在です。でもそろそろ出演者として思いっきり喋りたいかもしれません。
来年は吊られた男氏に司会を引き継ぎしゃべる側に回ってもよいのかも。
胸元にはポケットチーフ、お洒落さんです。
小松原氏は期待以上でした。この人、面白い。第2部第3部と大活躍。個人的にはこの日のMVPです。レギュラーになりそうな匂いがプンプンしました。
一番大変だったのは金野氏でしょう。小松原&山崎という怪物2名と一緒に場を作っていかなければいけなかったのですから。その中で山崎氏の靴下をいじったり、VTでグイグイ押したりといい働きを見せてくれました。
山崎氏。この人の説明は別にいいでしょう。
当日の服装は黒いポロシャツに白いパンツ。なお、黒いポロシャツは水瀬ケンイチ氏も着ていました。
まとめ
ほったらかし投資術推奨の服装はポロシャツ(黒)です。
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