#パナマ文書: 英キャメロン首相の「父のオフショア信託」の件を現地報道で #PanamaPapers
2010年に死去した父親の活動が、特大リーク「パナマ文書」に出てきた英デイヴィッド・キャメロン首相。その投資ファンドと自身の関わりについて質問をはぐらかしていましたが、現地で7日、ついに「(過去において)株を保有していた」ことを認めました。この流れに深く関わった記者2人のツイートを中心に記録。
更新日: 2016年04月08日
nofrillsさん
2010年に死去した父親の活動が、特大リーク「パナマ文書」に出てきた英デイヴィッド・キャメロン首相。その投資ファンドと自身の関わりについて質問をはぐらかしていましたが、現地で7日、ついに「(過去において)株を保有していた」ことを認めました。この流れに深く関わった記者2人のツイートを中心に記録。
更新日: 2016年04月08日
nofrillsさん
今、話題沸騰の「パナマ文書」
GettyImages PANAMA CITY, PANAMA - APRIL 07: Part of the Panama City skyline is seen as revelations about the law firm Mossack Fonseca & Co continue to play out around the world on April 7, 2016 in Panama City, Panama. The law firm, which specializes in setting up offshore companies, is at the center of an international scandal and continues to maintain it has broken no laws and that all its operations were legal. A report by the International Consortium of Investigative Journalists referred to as the 'Panama Papers,' based on information anonymously leaked from Mossack Fonesca, indicates possible connections between people setting up the offshore companies and money laundering. (Photo by Joe Raedle/Getty Images)
都内の駅前の八百屋のレジの脇でつけてるラジオでまで「パナマ文書」の話をしてるほど、日本語圏でも熱いことになってる今回のリーク。
ここ数年、Swiss Leaks, Lux Leaks, Offshore Leaksと、匿名性に守られた資産家の秘密口座に関する大型リークは複数回起きていて、そのたびに世界は大騒ぎになっていたのに、日本は静かだった。
だからなぜ今回、こんな「大騒ぎ」になっているのかはわからないが(特に日本関連の名前が出てきたわけでもないよね)、たまたま日本国内の大型ニュースがないとか、芸能ゴシップばかりで人々がうんざりしているとかいったタイミング的なことがあるのかもしれない。
GettyImages PANAMA CITY, PANAMA - APRIL 07: A sign is seen in a parking lot next to the building that houses the law firm Mossack Fonseca & Co on April 7, 2016 in Panama City, Panama. The law firm, which specializes in setting up offshore companies, is at the center of an international scandal and continues to maintain it has broken no laws and that all its operations were legal. A report by the International Consortium of Investigative Journalists referred to as the 'Panama Papers,' based on information anonymously leaked from Mossack Fonesca, indicates possible connections between people setting up the offshore companies and money laundering. (Photo by Joe Raedle/Getty Images)
ともあれ、1年以上かけて世界各国の100もの報道機関が連携し、400人近くのジャーナリストたちが調査を進めてきた大型リーク案件、「パナマ文書」。報道が解禁されたのが日本時間で2016年4月4日だった。
全部で2.6テラバイトというとんでもない量の文書は、租税回避地(タックス・ヘイヴン)として知られるパナマに拠点のある「モサック・フォンセカ」という法律事務所のもの。
世界各国のお金持ちがどのようにオフショア資産を形成したかを如実に物語る過去40年分の文書が、匿名の誰かによって外部に持ち出され、2014年遅くにドイツの「南ドイツ新聞」に持ち込まれたのがことの起こりだ。
GettyImages PANAMA CITY, PANAMA - APRIL 07: The sign in front of the building that houses the law firm Mossack Fonseca & Co is seen on April 7, 2016 in Panama City, Panama. The law firm, which specializes in setting up offshore companies, is at the center of an international scandal and continues to maintain it has broken no laws and that all its operations were legal. A report by the International Consortium of Investigative Journalists referred to as the 'Panama Papers,' based on information anonymously leaked from Mossack Fonesca, indicates possible connections between people setting up the offshore companies and money laundering. (Photo by Joe Raedle/Getty Images)
「南ドイツ新聞」に託された大量の文書は、米国のICIJ (the International Consortium of Investigative Journalists) が全体を仕切った世界規模の報道プロジェクトとなった。詳細は先日、拙ブログに書いたので、ご一読いただければと思う。
http://nofrills.seesaa.net/article/436304739.html
英国ではガーディアン(新聞)とBBC(テレビ)がICIJと連携したパートナー・メディアだが、初日以降は他の媒体も多くの報道を行なっている。ちなみに日本でのパートナー・メディアは共同通信と朝日新聞である。
「パナマ文書」が明らかにした「資産家」の中には、実業家や芸能人のような人たちだけでなく、有力な政治家や公務員・官僚も含まれていた。特にスキャンダラスだったのは、報道解禁の初日に大きく報じられたが、世界各国の国家元首や首脳の「オフショア資産」がバレたことだ。本人の名前が出てきたケースもあれば、家族や親族、友人の名前だったケースもある。下記で一覧できる。
https://panamapapers.icij.org/the_power_players/
解説は拙ブログをご参照のほど。
http://nofrills.seesaa.net/article/436249935.html
GettyImages REYKJAVIK, ICELAND - APRIL 07: Hundreds of protesters gather in front of the Parliament building holding red cards for a fourth day on April 7, 2016 in Reykjavik, Iceland. Icelandic Prime Minister Sigmundur David Gunnlaugsson has stepped down after news broke last Sunday that he had hid his assets in an offshore shell-company whose existence was revealed by the Panama Papers. Numerous leaders around the world as well as wealthy individuals have been caught-up in the developing scandal. The island nation of just 320,000 people had only recently recovered from the global banking collapse in 2008. (Photo by Spencer Platt/Getty Images)
例えばウクライナのポロシェンコ大統領は(元々実業家だが)本人の名前が出てきた。ロシアのプーチン大統領は側近や友人の名前が出てきた。シリアのアサド大統領は親族だ。アルゼンチンのマクリ大統領も本人の名前が出てきた。南アのズマ大統領は甥だった。中国の有力政治家の関係者の名前も出てきた。パキスタンの首相やエジプトのムバラク元大統領は子供たち。
が、現時点で最もダメージが大きいのはアイスランドのグンロイグソン首相だろう。国民からレッドカードをつきつけられ、辞任を余儀なくされたのだ。
最初に文書を受け取った「南ドイツ新聞」が、初日に真っ先に大きく報じていたのが、アイスランドの首相と閣僚たちのことだった。
アイスランドはEU加盟の可能性がある(2013年の総選挙の結果、EU懐疑派の保守系の連立政権ができたので、実際の手続きは今はストップしている)。また、2008年の米サブプライム・ローンに端を発する金融危機で、えらいことになった「元・金融大国」でもある。ドイツの媒体がアイスランドに特に注目したのは、そういった背景によるものだろう。
一方、英ガーディアンが初日に注目したのは、ロシアのプーチン大統領だった。
▼初日の報道(4月4日月曜日)
世界でも最もよく知られた租税回避地(タックス・ヘイヴン)のひとつであるパナマ。そこに拠点を構える法律事務所の顧客リストは、世界各国の政治トップを含む大物の名前で...
http://rr.img.naver.jp:80/mig?src=http%3A%2F%2Fimgcc.naver.jp%2Fkaze%2Fmission%2FUSER%2F20160404%2F48%2F417458%2F94%2F1177x1131xd29f1c3e03f25c60025783.jpg%2F300%2F600&twidth=300&theight=300&qlt=80&res_format=jpg&op=r
初日の英国での報道と、Twitter上での情報の出方については、少し記録してある。日本での担当メディアのうち、共同通信の担当記者さんのツイートも入れてあるので、興味がおありのかたはご参照いただきたい。
Guardian front page, Monday 4 April 2016: The secret $2bn trail of deals that lead all the way to Putin pic.twitter.com/LvqgYqRFSe
ガーディアンでの報道初日。「パナマ文書」の規模の大きさをグラフィカルな数字の羅列で訴求しつつ、最も中心的な「ネタ」はロシアのプーチン大統領周辺のカネの動き……という一面の構成。なお、ガーディアンは「パナマ文書」について、この「濃いグレー(スレート)と鮮やかな黄色」の組み合わせをテーマカラーとして報道に当たっている。非常にスタイリッシュだ。
ガーディアンが、プーチン大統領のケースを例として、パナマの法律事務所でのオフショア資産形成のやり口を解説したビデオ。
Iceland’s prime minister walks out of interview over tax haven question – video trib.al/SU3Zng0
この日、大きな注目を集めていたのはアイスランドの首相だった。テレビカメラを前にしてのインタビューでいきなり「例の会社」のことを持ち出され、マンガのように顔が凍りついた首相。そして……なんていうオイシイ映像があれば、そりゃみんな食いつく。
High quality PM walkout from Iceland of Swedish TV interview when confronted with Panama leaks of offshore company theguardian.com/world/video/20…
Sky Newsの政治エディター、ファイサル・イスラムさん。アイスランド首相が「パナマ文書」をつきつけられてインタビューを中座したガーディアンの映像をツイートしている。(このビデオは大勢のジャーナリストの間で大うけしていた。)
このEuronewsの映像クリップも、ガーディアンのサイトにあるのとだいたい同じ(元はアイスランドのメディアのもの)。アイスランド語でのやり取りの部分には英語字幕つき。
- しかしこのタイミングで、英国内で最大の関心を集めていたニュースは、「EU残留か離脱か」を決定するレファレンダム前のあれこれと、タタ製鉄の件だった。
「EU残留か離脱か」を決定するレファレンダムは、6月23日の投票に向けて「残留」陣営と「離脱」陣営がそれぞれキャンペーンを展開しており、投票日が迫ってくればそれだけ熱も入るとはいえ、基本的には「いつものニュース」だ。
一方、タタ製鉄のほうはより緊急性が高い、「そのときのトピック」の色が濃い。「中国、ロシアなどの安価な鉄を相手に、損失が高まる一方の状態で事業継続は難しい」ということで、3月の終わりに、英国の事業の売却方針を明確に示した。これが国民的関心事となっている。
タタ製鉄はインドの会社だが、英国にある製鉄所は元々は英国営企業の「ブリティッシュ・スティール」だった。それが80年代のサッチャー政権下(新自由主義)で民営化され、90年代(ブレア政権下)にオランダの会社と合併してCorus Groupとなり、2006年にタタ製鉄に買収された。
https://en.wikipedia.org/wiki/Tata_Steel_Europe#Takeover_by_Tata_Steel
英国内の製鉄所の閉鎖は、英国人の雇用をなくし、英国の町の産業をつぶすことになるのだが、それを防ごうという姿勢はキャメロン政権からは見えてこず、近年ゴリゴリと進められている「緊縮」の政策への疑問とあいまって、多くの人々が非常に大きな関心を向けている。
タタ製鉄としては他の国の安価な鉄が競争相手ではいかんともしがたいという事情だが、そもそもEU全体でアンチ・ダンピングのシステム強化をしようという動きに、英国は乗り気でなかった。
そんなこんなで、EUレファレンダムまで2ヵ月半ほどとなった現在、政権批判がますます強まっている。
それが「パナマ文書」報道が開始されたときの英国の報道の基調だった。
long been predicted, never happened, but could tax, sterling, Brexit finally burst prime London property boom? bloomberg.com/news/articles/…
Sky Newsのファイサル・イスラムさんは、このように、「パナマ文書」のニュースがbreakしたあとも通常運転で、「EUレファレンダムに関する話題」に注目している。
Labour leader @jeremycorbyn to address Glastonbury - timing interesting, within hours of EU referendum mirror.co.uk/news/uk-news/j…
これも「EUレファレンダム」関連。グラストンベリー・フェスで労働党のジェレミー・コービンがスピーチを行なうという。
- ここでファイサル・イスラムさんも「パナマ文書」について発言。
リークされた大量の文書の中に、英キャメロン首相の父親(故人)の名前があり、彼が設立した「ブレアモア」(名称はキャメロン家のお屋敷にちなむ)という投資ファンドがどのようにオフショア資産を築いていたかが示されていた。
最初っからわかっていたことなのだが、当初、これに注目し、ヘッドラインにしていた英メディアはなかった。
https://t.co/b0aiuHzukt
メディアが注目しだしたのは、これについてダウニング・ストリート(首相官邸)から「個人的な事柄」というコメントが出たあとである。
PM's spokeswoman says that his late father's Panama fund connection a "private matter" and had already been revealed in 2012
「首相のスポークスウーマンは、首相の父親のパナマのファンドとのコネクションは『プライベートな事柄』であり、既に2012年に公にされていると述べている」
Cameron Sr role in then Panama-based Blairmore not new - was in the prospectus a decade ago, reported in 2012: globaldocuments.morningstar.com/documentlibrar… ....
「当時パナマに拠点があったブレアモア(投資ファンド)におけるキャメロン父の役割は既報である。10年前はたいそう羽振りがよかったと2012年に報じられている」
なお、キャメロン父(イアン・キャメロン氏)は2010年に死亡している。
Blairmore hasn't been performing too well over past few years, now in Ireland, biggest investments: Google/Disney trustnetoffshore.com/Factsheets/Fac…
「ここ数年、ブレアモアはあまり調子がよくない。現在は拠点をアイルランドに置き、最大の投資先はグーグル/ディズニー」
(またアイルランドが「オフショア」として使われている事例が……)
@faisalislam Has Cameron benefited from the arrangement and does he continue to benefit?Or was it purely his fathers?
それによってデイヴィッド・キャメロンが利益を得ていたのか、今も得続けているのかという質問。
@tigerfish4 is question we are trying to get the answer to - all Number 10 has said is that it's a "private matter"
「まさにその疑問点について、答えを得ようとしているのですが、首相官邸は『プライベートですので』というばかりなのです」と質問主にリプライするイスラムさん。
- ここでアイスランドの話題に……
アイスランドの首都レイキャビク。首相に対する退陣要求デモに大勢の人々が集まってきた。
fair fraction of Iceland population appears to be protesting outside its Parliament for PM to go after #panamapapers twitter.com/sigrunda/statu…
「アイスランドの国会前で、首相に対する退陣要求デモに大勢集まっている。アイスランドの人口を考えるとかなりの割合ではないか」
アイスランドの全人口は33万人くらい。
https://en.wikipedia.org/wiki/Iceland
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