中国では近年、ネット通販が急激に成長しており、実店舗での販売に苦戦する企業も少なくない。商業施設はどこも似たり寄ったりで、買い物という点では良質な顧客体験を提供できていないと言える。
近年、多くの中国人旅行客が日本を訪れ、買い物を楽しむなかで、中国人旅行客は日本の商業施設のサービスを高く評価しているが、いったいどのような点が評価されているのだろうか。
中国メディアの房天下はこのほど、日本の商業施設が消費者を取り込み、顧客としてつなぎとめておくためのアイデアを紹介し、「さすが日本は細部までこだわっている」などと伝えた。
記事はまず、商業施設ごとに異なる紙袋などの存在を挙げ、「紙袋は日本の商業施設にとっての顔であり、命である」と指摘。紙袋はその商業施設で何かを購入して初めてもらえるものだが、消費者が特定の商業施設の紙袋を持つこと自体をブランド化することで、商業施設での買い物をステータスのある行為、体験につなげていると論じた。こうした事例は日本では大手百貨店に該当するものだろう。
また、一部の商業施設で実施しているサービスとして、顧客が店内で求めているサービスの内容によって色分けされたブレスレットを着用できるという事例を紹介。ブレスレットの色によって、「見ているだけ」、「すぐに何かを買いたい」など顧客の来店の目的が何も言わなくてもスタッフに伝わるサービスがあると紹介し、店員のサービスを求めている人と求めていない人を前もって分類することで、皆が気持ちよく買い物できるサービスであることを紹介した。
さらに記事は、デパ地下などのグルメの存在を挙げ、商業施設内で安心かつ健康的な食べ物を購入できることが良質な顧客体験の提供につながっていると紹介。美味しい食事が買えるだけでなく、パンであれば焼き上がりの時間が明示してあったり、食材の産地が分かりやすく記載されていたりなど、消費者の視点に立って細かいサービスが提供されていると伝えたうえで、こうした顧客体験があるからこそ、ネット通販が存在しても実店舗から客がいなくなることはないのだと論じている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
さすが日本は細部までこだわってる・・・通販があっても実店舗から客がいなくならない理由=中国
2016-04-08 11:22