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崔鎮旭院長は「統一後の韓半島のアイデンティティー確立のためにさまざまな人文学研究が必要」と強調した。(中央フォト) |
統一研究院の崔鎮旭(チェ・ジンウク)院長(57)は7日、中央日報のインタビューで、「南北関係がふさがった局面でも統一のための研究は続かなければいけない」とし「冷戦と脱冷戦を越えた新しいパラダイム『統一談論3.0』を具体化する」と明らかにした。
統一研究院で23年間を過ごした崔院長は2014年3月に院長に就任した。統一研究院は8日、ソウル小公洞(ソゴンドン)ロッテホテルで学術大会も開く。テーマは「4回目の北核実験後の米中関係と対北政策の方向」だ。
--南北関係がふさがっている局面で、統一研究院の役割は。
「最近の北の挑発と威嚇のため、現在は北に対する圧力に集中する時だ。北核問題が解決してこそ南北関係が進展するからだ。しかし同時に統一の基盤づくりに向けた努力も進めなければいけない。統一研究院の役割は実現可能な統一談論を構成し、政策決定を支援することだ。冷戦時代の統一談論1.0は体制対決に集中し、脱冷戦時代の統一談論2.0は交流協力を通じて異質化を克服しようという楽観的機能主義に焦点を合わせた。現在は中国の浮上による新しい国際秩序を直視しながら、具体的なアクションプランの基盤となる統一談論3.0を作るために努力している」
--具体的な方法論はあるのか。
「外縁の拡張だ。昨年は研究院史上初めて心理学博士を迎えた。今年は地理学・人類学分野の研究員を選抜する計画だ。統一研究院だが、北関連の専攻の人材は全体の3分の1程度にしかならない。政治・軍事・安保のほか、幅広い人文学研究を通じて、統一後の韓半島のアイデンティティー確立と多文化が混在する統一韓国に関する研究基盤を築くためだ。また国際的な統一共感を形成するために、韓半島の統一に不安を抱いている周辺国と活発な研究交流活動も行っている」
--北朝鮮人権白書を毎年出しているが。
「人権問題は北を理解するうえで重要なポイントの一つだ。国際社会が北の指導部に繰り返し人権改善努力を促しながら国際刑事裁判所(ICC)提訴まで取り上げている。したがって北もこの問題に敏感に反応する。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が『変わらなければ体制維持が難しい』と考えるよう環境と雰囲気を形成しなければいけない。その一環として白書を出している」
--北朝鮮が労働党大会を5月初めに開く予定だが。
「党大会は金正恩特有のブラフィング(bluffing=虚勢戦略)と見ている。金正恩がニンジンなしにムチだけを握り、また北の市場経済化が現在の速度で進行すれば、今後1、2年以内に急変事態が発生する可能性もある。我々はさまざまな可能性を念頭に置いて統一のための研究をしていく」