識者の意見:今なお恥ずべき韓国のトイレ文化

 韓国のトイレ文化は大きく改善された。これは多くの方たちのたゆまない努力のおかげであり、海外に行って比較すると自慢したくなることもある。とりわけ高速道路のサービスエリア、官公署、空港、デパート、さらには大型ビルなど、今ではどこもトイレは非常に清潔だ。

 しかし韓国のトイレが全て清潔になったわけではない。少し他のところに目を向けてみよう。地方のバスターミナル、市場、地下鉄の駅、小さな建物、さらに観光地や登山道の入り口などに設置されているトイレはどうだろう。今も驚くのは「使用済みの紙はくず入れに。便器に流さないこと」と書いてあり、便器のすぐ横に巨大なごみ箱が置いてあることだ。われわれがこれに何も感じないのは、完全に慣れ切っているからだ。しかし一度考えてみよう。どこの誰だか分からない人間が排出した汚物の付いた紙が自分のすぐ目の前に、あるいはすぐ横に積み上げられているとすれば、これを不快に感じない人間は普通の感覚の持ち主なのだろうか。しかもそこから数々の細菌がばらまかれている。これに若い女性でさえ何も感じないとすれば、その習慣や文化はどう考えてもおかしい。

 いわゆる途上国から来た人たちは、韓国のトイレに置かれたごみ箱を見てびっくりするらしい。駅などにある公共のトイレには、政府や公共機関の予算で購入されたトイレットペーパーがあるのに、これを便器ではなくごみ箱に捨てるのはどう考えても異常だ。普通のトイレットペーパーはちゃんと水に溶けるため、これが原因でトイレを詰まらせるようなことはない。韓国のトイレ文化は一見するとそれなりに見えるが、その中身は実はまだまだだ。

ムン・ホンギュさん(画家)
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