川内原発の仮処分棄却 住民側は抗告せず

鹿児島県にある川内原子力発電所1号機と2号機の運転停止を求めた住民の仮処分の申し立てを、6日、福岡高等裁判所が退けたことについて、住民側は最高裁判所に抗告しないことを決めました。すでに訴えを起こしている正式な裁判で、引き続き運転停止を求めていくことにしています。
鹿児島県にある九州電力・川内原発の1号機と2号機について、鹿児島県や熊本県などの住民が運転停止を求める仮処分を申し立てたのに対し、福岡高等裁判所宮崎支部は6日、退ける決定を出しました。
これについて住民側は「福岡高裁の決定は到底認めることはできないが、今後も争うには法律上の制約が多く、十分な主張ができない」として最高裁判所に抗告しないことを決めました。
住民側は、仮処分の申し立てに先立ち、平成24年に九州電力などを相手に川内原発の運転停止を求める正式な裁判を鹿児島地方裁判所に起こしていて、このなかで引き続き、運転停止を求める方針です。
住民側の弁護団は「仮処分の申し立ては退けられたが、巨大噴火の予測の困難さなど主張が認められた部分も多い。こうした点を含め、今も審理が続いている裁判の場で主張を尽くしていきたい」としています。