習主席親族が租税回避地に会社所有か 当局は情報削除

習主席親族が租税回避地に会社所有か 当局は情報削除
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中国の習近平国家主席の親族が租税回避地、いわゆるタックスヘイブンのペーパーカンパニーのオーナーになっていたと、各国の記者で作る団体が発表したことについて、中国当局はインターネット上から関係する情報を削除するなど神経をとがらせています。
これは、調査報道を行う各国の記者で作る団体、ICIJが租税回避地、いわゆるタックスヘイブンの国の1つ、パナマの法律事務所の内部文書を入手したとして、今月3日、発表したものです。
それによりますと、中国の習近平国家主席の姉の夫が、タックスヘイブンとして知られるイギリス領バージン諸島の2つのペーパーカンパニーのオーナーになっていたことが分かったということです。ICIJは、この2つの会社は習氏が国家主席に就任した2013年までには休眠状態になったとしています。
この発表について、中国外務省の洪磊報道官は5日の記者会見で「雲をつかむような話にはコメントしない」と不快感を示したほか、中国のインターネット上からは関係する情報が当局によって次々と削除され、見ることができなくなっています。
タックスヘイブンは、不当に得た資金を隠すマネーロンダリングの温床になっているとも指摘されています。中国では習主席が先頭に立って政治家や官僚の腐敗撲滅に取り組んでいるところで、当局が神経をとがらせていることがうかがえます。

中国でワールドプレミアムの放送中断

中国本土では、NHKが、海外向けテレビ放送「ワールドプレミアム」で日本時間の6日午後7時すぎ、習近平国家主席の親族が租税回避地、いわゆるタックスヘイブンのペーパーカンパニーのオーナーになっていたと指摘されたニュースを伝えた際、画面が真っ黒になり、映像や音声が中断されました。放送の中断は3回にわたり、タックスヘイブンに関するニュースのほぼすべて、合わせて4分余りが中断されました。中国当局が、海外メディアの報道にも神経をとがらせているものとみられます。