「RPGの面白さ」をテーマにした不定期連載です。
続き物なので初回から読んでいただければ幸い。

初回:http://digitalrokumon.diarynote.jp/201111032005213803/

前回:http://digitalrokumon.diarynote.jp/201111032018222855/


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ゲームは繰り返しプレイされる事でやがて飽きられる。攻略法の確立してしまったゲームなど、答えが解っているテストのようなものであり、そこには課題を乗り越えるカタルシスは
存在し得ない。
言うまでもなくゲームは長持ちする方が質が良い。ごく単純な戦術が発売直後に定石として確立し、あとはただひたすらルーチンワークを繰り返す、といったゲームに怒りを感じないプレイヤーはいないだろう。レベルを上げて物理で殴るだけのゲームなど非難されてしかるべきだ。

ゆえにメーカーはゲームの賞味期限を長引かせるべく様々な添加物を混入する。

やり込み型RPGとして名高い『ロマンシングサガ-ミンストレルソング-』を例に挙げよう。
使用できる武器の系統は15種、魔法は10種。修得できる技は武器系統1つにつき10~20。仲間にできるキャラクターは28人(モブ除く)。挑戦できるクエスト60件程度。ダンジョン等で利用するマップスキルに、戦闘の得手不得手を左右するクラス。マップ上での鉱石採掘、薬草採取、財宝発掘、モンスターとのアイテム取引。武器のカスタマイズ、術合成、店の陳列物に影響を与えるショップレベル、調合レベル。2周目以降への引き継ぎ要素。等々・・・

夥しい数の要素がゲームに詰め込まれている。ここに列挙したものを一通り見るだけで4週以上はプレイする事になるはずだ。

さて、ミンサガに限らず様々なRPGで日常的に見られるこうした手法は、果たして本当に有効な手法であろうか。ゲームを延命しているという意味でならば間違いなく役に立っている。確かにプレイヤーは大量に用意されたイベント、グラフィックといった要素を見るべく、より多くの時間をゲームに割くだろう。しかし問題はそんな事ではない。


先ほど私は「ゲームは長持ちする方が質が良い」と言った。
だがこれは「プレイ時間を長引かせれば良い」という意味では断じて無い。

面白いゲームの定義として私は、「プレイヤーに試行錯誤を要求するゲーム」である事を
挙げたい。
戦闘が始まったら「たたかう」を4回選んで勝利、といった作業を10回繰り返し、ボスが出てきたら補助魔法をかけた後、攻撃と回復をひたすら繰り返して勝利、これをワンセットとして以降エンディングまで延々繰り返し。
こうした「繰り返しゲーム」は私の好む所ではない。ゲーム内での行動は、まずそのシーンにおける最適解を考え、実際に取れる選択肢の中から最善のものを選ぶ、という手順であるべきだ。

先に挙げたミンサガでは、なるほど確かに大量の選択肢が用意されており、一見試行錯誤の連続によってゲームが成っているように見える。しかしながら、それら膨大な選択肢のうち、実用に足る選択肢はその1割程度にしかならないのだ。大型剣なるカテゴリが両手大剣に勝る要素は実質0だし、攻撃魔法など合成吹雪がひとつあれば事足りる。

こうしたデータ詰め込み系ゲームの多くは攻略が進む事で結局最適解が見つかってしまい、以降はただ効率を無視して、未見だからという理由でへんてこな選択肢を選ぶだけになりがちである。そこにはおおよそ戦略的思考は必要とされないのだ。



もうちょっとだけ続くんじゃ

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