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2016年04月08日 08時47分 UPDATE

「身を捨てて浮かぶ瀬も」シャープ買収を台湾経済人が斬る! 世界ビジネスのサバイバル術とは (1/4)

シャープが、台湾・鴻海精密工業に買収された。翻弄されたシャープ経営陣の姿に台湾側からは「日本企業の台湾研究不足」が指摘されるほどだ。

[産経新聞]
産経新聞

 経営再建中のシャープが、台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業に買収された。金額は3888億円と当初予定額から約1千億円も減額。創業100余年の歴史を誇る日本有数の総合家電メーカーが、手練手管の台湾の新興企業に安く買い叩かれた格好となった。翻弄されたシャープ経営陣の姿に、“日本カード”の価値を熟知する台湾側からは「日本企業の台湾研究不足」が指摘されるほどだ。ビジネスのグローバル化が進むなか、日本企業の意識改革、サバイバル術が問われている。(吉村剛史)

画像 会見が終わり顔を近づけて言葉を交わす、シャープの高橋興三社長(右)と鴻海精密工業の郭台銘会長(門井聡撮影)

鴻海に振り回され続けたシャープ

 鴻海がシャープを買収する契約を結んだ2日、堺市堺区のシャープ堺工場で開かれた会見には、日本だけでなく台湾の報道関係者も多数詰めかけた。

 「私の頭の中には(再建の)明確なロードマップがある」などと、会見で自信満々に演説する鴻海の郭台銘会長とは対照的に、シャープの高橋興三社長は緊張した表情で手元の資料を読み続け、約2時間40分にも及んだ会見は、まさに郭会長の“独壇場”となった。

 それもそのはず、今年2月に4890億円の出資でシャープを傘下に入れることが決まりかけたが、その後「偶発債務の存在」を理由に次々と条件変更を要求。約1カ月間にわたる迷走後、最終的には出資金1千億円の減額に成功。鴻海にとってはかなり有利な条件で合意したからだ。

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