米の消費量の減少って前々から問題になっていて、米の消費を促進させる努力が必要だと言われていますが、実際に皆の食生活は米中心ですか? それともパン中心ですか?
ええ、もちろん米も好きですよ。僕は一応健康に気を付けて玄米食べます。嫌いな人も少なくないみたいですが、玄米に比べたら白米って水と炭水化物だけに見えるから、なんか損している気分になっちゃって。
ただ、このテーマを選んだ割に僕は別に米の大信者というわけではなく、パンも大好きなんですが、米の消費量が減り続けているのが止まらない理由など、米の消費関連に興味があるんですよ 。不思議ですよね。日本のお米って米の消費量が多い国と比べても抜群に美味しいし、価格が下がっているせいで価格決定権を持たない米農家が廃業の危機に追い込まれるような価格であっても、米の消費は減っているんです。
価格に関してはJAが価格を調整していることが問題だったり、消費者の米離れが深刻な状況になる中、米の生産(供給)量が多すぎることが問題となっているんですけどね。兼業農家とかいますから、米の生産が本当に多くなって、逆に米農家を潰しているんですね。だからまぁバイオ燃料としての稲を栽培する案が出ていますが、どこまで進んでいるのかは謎です。というか僕はそこまで知りませんが、うまく調整できるように頑張っていることを信じています。
今回はそんな危機的状況にある米関連の僕が持った疑問について書いていきます。
日本のパンはそこまで美味しくないのに?
米離れが広まっていく一方、何を食するようになっているかといえば、まず思い付くものがパンですが、パンの材料である小麦は、日本で作るには条件があまりよろしくないんです。北海道のような寒く、梅雨の影響が大きくない地域が向いているので、一部を除いて小麦って輸入に頼っている現状があります。
でも、日本でしか販売されているパンを食べたことがない人だとショックを受けるかもしれませんが、日本のパンってそこまで美味しくないんです。一度フランスに行って、何気なくパン屋さんに入ってバゲットを購入して千切って食べてみてください。日本で売られている、特にスーパーで他のパンと一緒に並んで袋に入っているバゲットなんて(言い過ぎかもしれませんが)ゴミのように感じます。僕は日本でバゲットを購入する時は本当にベーカリーを選んで買う程に質が微妙です。
バゲットが美味しい店は、基本的に他のどのパンも美味しいと僕は勝手に判断しています。逆に店にバゲットが並んでいないと、食べなくてもマズイんだろうなぁという印象さえ受けます。それくらいにパンに関してはバゲット信者で、初めて行くベーカリーではバゲットを必ず購入するくらいです。で、日本では当たりの店があんまり多くない気がします。僕の運が悪いだけかもしれませんけどね。
一般的なスーパーだと確かに色んなパンが沢山売られて美味しそうに見えますけど、菓子パンや惣菜パンなど、パン自体の味を誤魔化す工夫が巧妙にされている微妙なパンばかりなんですね。炊飯器とか使って自分で作った方が美味しいパンが焼けたりします。
でも、日本でのパンの消費ってマズイ割には多いですよね。ちょっと矛盾している気がしませんか?
まぁ余談ですが、日本で小麦といえば、パンはダメかもしれませんが麺類って最強ですよね。漢字で書くと両方とも麺を使いますが(パンの漢字は「麵麭・mianbao」ですから)、うどんやラーメンなどの日本の麺は別格にうまいです。多分材料の選別も含めた職人の力ですね。この他僕は関西人ですから「粉もん」の名前も出しておきますけど。
第三勢力シリアルの存在
主食の第三勢力としてシリアルの存在感が目立ってきています。小麦も使われているでしょうが、穀類を使ったフレークなどに加工したものです。
甘めに味付けされていることが多く、おやつ感覚です食べられますが、朝の主食となっている人も少なくないんじゃないでしょうか。まぁ手間がかかりませんから便利だという利点もありますよね。
グラノーラも同様にドライフルーツやナッツ類が入っていて美味しいですよね。
日本のお米の消費量は減少傾向にあった
今度は米の話です。
日本がパンを食するようになったのは、敗戦後の貧しい頃にアメリカからパンが支給されたりして、当時の子供にパンの味を教育していったことから始まったと言われています。ほら、子供の頃に食べて美味しく感じたものって大人になっても美味しく感じたりしますよね。人間の一生の味覚の好みは育った環境によるそうですから。
そして、そうやってパンを食するようになった日本人が、自分たちの子供世代にもパン食生活を与え、学校の給食にもよくパンが出てくるようになったんだとか。まぁ戦略的にパン食文化を発展させられたような環境なわけです。だから、僕の親の世代(だいたい50代前後)だと学校での給食ってパンが多かったんじゃないでしょうか。パンの材料である小麦が日本でつくれないことをいいことに、輸入させる環境を作ったんですね。
で、今は更に少子化によって全体的な食の消費が減少していることからも、米の消費が減少に繋がってるんじゃないかと。また、地震発生後の津波によって起こった原発事故によっても、米の消費は大きな影響を受けました。
まぁ米の安全は今のところは大丈夫でしょうが、というか溢れるくらいに米が余っているんですから、安全なものが残っているんでしょうが、それでも米って保存もある程度効く分、日本では余りまくっているんですよね。
輸出できればいいんでしょうけど、日本産って海外のスーパーでは高いので富裕層しか購入しませんから、為替に影響されて円安効果を受けても長期的に安定するとは思えないんですね。
個人的には米粉を使ったフォーやビーフンみたいな麺を日本流にして流行らせれば、米の消費も増えるんじゃないかと思います。ビーフンって焼きそばみたいに炒めている感じですが、
米粉の麺ってモチモチしてて美味しいですから、個人的にはめっちゃ好きなんですけど、日本ではベトナムなどからの輸入食品でしか見ませんからね。というか日本の米で作れるのか知らないんですけどね。
米離れを防ごう
実は真剣に考えられていて、日本人には小麦よりも米の方が体質的にあっているんですよ。ヨーロッパやアメリカの食べ物を流行らせたところで、食べ物の消化率なんて人種によって結構異なるんです。ほら、海苔とかの海藻類を消化できるのってたしか日本人くらいじゃありませんでしたっけ? とまぁ古くから築いてきた食文化によって、食の適不適って遺伝的にある程度決まっているんです。まぁ時代や世代と共に変化もしているでしょうが、そんなに早くないでしょう。
そういえば今、大阪では中学で給食がほとんどなかったので、最近頑張って給食を出すようにしていますよね。まぁこれは米に限った話ではなくて、義務教育を受ける子供が取るべき栄養を与えるための話ですが、実際こうすることでも米が消費されるようになるでしょう。パンって上になんか乗せておけば味がつくけど、特に栄養なんて考えて作られていませんから、実際成長期の昼食にパンばかりってあんまり良くないんですよ。
僕は大阪市内ではありませんが、それでも中学時代に給食なんてありませんでした。でも、学校給食法なんてものがあったんですね。今まで大阪サボりすぎだったんだとよく分かりました。一部の生徒からマズイなどの不満があるとか言われて批判されていますけど、そういう子の親がどれだけ普段から味付けを濃くしていて、食生活が味覚障害を含む生活習慣病に繋がっているかがよく分かる声だと思えるんですよ。
いや、調理下手な人間が無理して作っている訳じゃない上、栄養もわざわざ考えて作られているんだから食えよって話です。僕なんて親が料理下手だったから、弁当なんて食べる気しませんでしたから、給食があった方が良かったです。ええ、仕切りも作らず詰めて、開けた時にぐちゃぐちゃになっていたり、意味不明な組み合わせだったり、嫌だったことしか覚えていないだけです。
給食が出るなら米の消費にも繋がりますし、米を食する習慣も身に付くでしょう。若い内の食生活が後の好みなんかを決めてしまう要素になりますから、米を食する習慣をある程度身に付けておくことも、子供から見ればどうでもいいことだと思うかもしれませんが、長期的に見ると米って日本食に最も適しているんです。
とまぁ一例ではありますが、こんな風に消費口を増やす手がある一方、消費する方法を増やす方法もありますよね。バイオ燃料の例も挙げましたが、米って主食として食べるだけでなく、もち米であればお菓子(特に和菓子)の材料としても使えます。サラダに和えて使っている国もありますよね。この他米って化粧品類にも使用されています。米の消費方法って探せばいろいろ出てくるんですよね。
米離れって一見食の選択の幅が広がっていて、自由で良いことのように見えますが、日本人の遺伝的な体質を考えると、あんまり良くないことなのかもしれません。まぁ一番嘆いているのは米農家だと思うんですけどね。
よくお祭りで見る「五穀豊穣」の文字を見て思うに、米を含めたいくつかの穀物を主食としてとっていたのではないでしょうか?
で、戦後の成長期に合わせてブームのように米の消費量が伸びたが、ブームが終わったので米の消費量が本来の量に戻ってきている・・・のかも知れませんね。