架空投稿で和解 業者が1000万円支払い
ネットの大手通販サイト「楽天市場」を運営する楽天(本社・東京)が、出店者の評判をつり上げる架空の口コミ投稿を繰り返されたとして、業者に約2億円の損害賠償を求めた訴訟が大阪地裁で和解した。昨年10月22日付で、業者が不正な投稿を全面的に認め、和解金1000万円を支払う内容。楽天が業者の刑事責任を求めないことも含まれている。
業者は大阪市北区のシステム開発会社。訴状によると、開発会社は楽天市場に出店していた121店と、利用客になりすまして商品を高く評価する投稿について、150件ごとに8万円を支払う契約を締結。楽天の調査で架空投稿は約11万4000件に上ったとされた。
楽天は「サクラ行為で店舗の利用客らに公正なサービスを提供できず、業務を妨害された」などと主張。投稿の削除に応じない店舗などとの契約解除が発生し、得られたはずの出店料などを求めていた。
一方、開発会社は「利用客は投稿が完全に正しいとは信じておらず、運営が妨害されることは現実的にありえない」と反論していた。【三上健太郎】