米FRB議長 緩やかな利上げ 適切と強調

アメリカの中央銀行に当たるFRB=連邦準備制度理事会のイエレン議長が講演し、去年12月の利上げの判断は誤りだったのではないかという一部の指摘に対して、アメリカ経済は海外の景気減速の影響を受けながらも回復軌道にあるとして、緩やかに利上げを続けることが適切だと強調しました。
FRBのイエレン議長は7日、ニューヨークでバーナンキ前議長ら歴代の議長と共に講演しました。
FRBは去年12月にほぼ10年ぶりに利上げを始めましたが、その後、金融市場が大荒れとなって、ことしに入ってからは2回連続で利上げを見送り、一部には去年の利上げの決定は誤りだったという指摘も出ています。
これについてイエレン議長は「アメリカ経済は海外の景気減速の悪影響にさらされながらも順調に上向いている。回復軌道は維持されており、12月の判断が誤りだったとは思わない」と反論しました。そのうえで「緩やかに利上げを続けていくことが適切だと思っている」と述べ、景気の動向を慎重に見極めながら、利上げを続ける方針を改めて強調しました。
一方、外国為替市場で一時1ドル=107円台まで円高が進むなど、おととし以降のドル高の流れがこのところ反転していることについて、イエレン議長は「ドルの相場水準はFRBの政策目標でない」と断ったうえで、1年半に及ぶドル高でアメリカの輸出が伸び悩み、景気の足を引っ張ってきたと指摘し、市場の動きを注視していく考えを示しました。