堀込泰三 - コミュニケーション,ニュース・コラム,リーダーシップ,仕事術,社会 11:00 PM
あなたは大丈夫?イジワルな上司よりも嫌われるのは、○○な上司
Inc.:想像してみてください。部下の貢献を軽視し、努力を過小評価し、いつも不公平なフィードバックをするイジワルな上司を。
想像できましたか? では次に、もっと悪い上司を想像してみてください。
それより悪い上司なんていないだろうと思ったあなた。それが、いるんです。
先ごろ『Academy of Management Jounal』に掲載されたミシガン州立大学の論文が、それを証明しています。研究チームは、実験とフィールド調査を併用して、単なるイジワル上司と、予測不能な危険人物のどちらが悪いかを研究しました。一見、常に嫌がらせをする上司のほうが悪いような気がしますが、実験の結果、一貫性のない上司のほうが嫌われることがわかったのです。
常にイジワル vs ときどきいい人
研究では、被験者を上司役と部下役の2つのグループに分け、株価を決めるゲームをさせました。部下役のストレスを図るために、心拍数をモニターします。
上司役が公平なフィードバックをすると、当然ながらすべてがうまくいきました。その後、上司役に不公平なフィードバックをさせたところ、興味深い現象が起きました。一貫して理不尽でイジワルな上司よりも、まともな人間とモンスターの間を行ったり来たりする上司のほうが、部下のストレスを高めることがわかったのです。論文の筆頭著者であるFadel Matta氏は、次のようにコメントしています。
この結果から、部下にとっては公平になったり不公平になったりを繰り返す危険人物よりも、常にイジワルな上司のほうがマシであることがわかります。一貫性のない扱いをされることは、常にひどい仕打ちを受けるよりも、ずっとストレスになるのです。
この研究結果は、最初は直感に反するように感じられます。でも、常にイジワルな上司なら、少なくともある程度予想がつくという意味でマシなのかもしれません。ちなみに、リアルライフの労働者を対象に行った調査でも、同様の結果が得られたそうです。気分屋で態度がコロコロ変わる上司は、常にイジワルな上司よりもストレス、仕事への不満、感情の疲弊をもたらすのです。
退屈は素晴らしい!
上記の研究結果に驚く人は多いかもしれません。でも、Googleの人事担当上司には何ら驚きではないでしょう。同社が過去に優れたリーダーの条件を分析したところ、戦略的な大胆さやモチベーションを高めさせる能力といった条件は出てきませんでした。それよりも、データを慎重に分析した結果わかったのは、優れたリーダーは驚くほど退屈であることでした。
Googleにしてみれば、退屈とは自由を意味します。上司の行動が予想できれば、社内政治ではなく優れたアイデアの実行に、時間とエネルギーを費やすことができます。同社の人事担当副社長であるLaszlo Bock氏は、次のように述べています。
リーダーが一貫していれば、チームメンバーは多大なる自由を謳歌できます。
上で紹介した研究結果は、優れた上司は退屈な上司であるというGoogleの主張を裏付けるものでした。でも、理由はもっと平凡です。つまり、上司の行動について心配するのは、時間の無駄なだけでなく、かなりのストレスの源になるのです。
この結果は、上司にとっては非常にシンプルなアドバイスになります(言うは易しで、実際に行動に移すのは大変ですが)。つまり、完全に予測可能で、徹底的に退屈な上司になることで、チームメンバーから感謝されるでしょう。いえ、彼らがわざわざあなたのことを考えてくれればの話ですが。そんなことを考える隙もないほどに、上司は退屈に徹し、部下は仕事に徹している状態が理想です。
When It Comes to Bosses, There Is Something Worse Than a Jerk, New Research Finds | Inc.
Jessica Stillman(訳:堀込泰三)
Photo by Shutterstock.
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