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現金配布「了解」 発言のビデオ

 2014年2月の東京都知事選で落選した、元航空幕僚長、田母神俊雄氏(67)の資金管理団体を巡る使途不明金問題で、田母神氏が選挙後、陣営関係者に現金を配布することを「了解した」と発言する様子がビデオに記録されていたことが関係者への取材で分かった。東京地検特捜部もこの事実を把握しているとみられ、公職選挙法違反(運動員買収)の疑いがあるとみて捜査を進めている模様だ。【飯田憲、平塚雄太】

 田母神氏は知事選で約61万票を獲得したものの落選した。資金管理団体「東京を守り育てる都民の会(現・田母神としおの会)」は14年に約1億3300万円の収入があったが、約5054万円が使途不明となり、一部が陣営関係者に配られたとされる。

 陣営関係者によると、選挙後、選挙対策事務局長が「選挙を頑張ってくれた人たちにお金を払いたい」と提案。対象者数十人の氏名と配布額(計約2000万円)をまとめたリストが作られた。田母神氏はこれまでの取材に対し、一部に現金が実際に配布されたことを認めたうえで「支払いは後になって知った。私は指示も了承もしていない」と直接の関与を否定していた。

 しかし、複数の関係者によると、田母神氏は15年2月、会計責任者に使途不明金の説明を求めた際、現金配布について「俺は最初ね、こんなに配るのかなっていう思いがあった。まあこんなもんですよという事務局長のあれ(話)もあったんで、まあ了解した」などと説明していた。この時の様子はビデオで撮影されていたという。

 弁護人によると、田母神氏はビデオに記録された発言を事実と認めたうえで「1年も前にやったことで『俺は了解していない』なんて言ってもしょうがない。部下のやったことは俺の責任だということもあり、あえて否定しなかったが、事前に了解していたわけではない」と説明しているという。

 特捜部は今年3月、業務上横領容疑で田母神氏の自宅などを家宅捜索。使途不明金を誰がどのように使ったか解明を進めるとともに、陣営内で配られた現金が選挙運動に対する違法な報酬だったか調べているとみられる。

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