長野最大斜度35度の急坂で木落し豪快に 御柱祭下社山出し8日開幕
諏訪大社御柱祭は八日、下社(下諏訪町)に舞台を移し、八本の柱を里へと曳(ひ)き出す「山出し」が始まる。期間は十日までの三日間。棚木場(たなこば)から注連掛(しめかけ)までの四・六キロの道のりを曳行(えいこう)する。最大斜度三五度の急坂を豪快に滑り落ちる御柱祭の代名詞「木落(きおと)し」が最大の見せ場だ。 初日は、岡谷市湊地区の「春宮四」、同市川岸地区の「春宮三」、諏訪市上諏訪地区の「秋宮二」の三本の柱が午前七時から順次、棚木場を出発。S字カーブを通り抜ける最初の難所「萩倉の大曲(おおまがり)」をへて木落し坂上へと曳きつけ、午後一時から木落しを始める。三本ともこの日のうちに注連掛に到着する予定。下社の大総代でつくる三地区連絡会の土田忠会長(82)は「安全を最優先に、事故なく楽しい祭りにしたい」と話している。
木落し坂に向かう国道142号や曳行路の県道八島高原線沿いには、氏子が持つおんべの房のような飾りが付けられ、御柱祭を祝うのぼりや横断幕も。萩倉地区では、各所に氏子たちの休憩所が設置された。 木落し坂には七日も観光客が多く訪れていた。五月の「里曳き」を含め御柱祭全十二日間を見物する予定だという神戸市の無職岩崎良一さん(63)は「街全体で柱を曳く熱気にひかれて御柱祭が好きになった。最後まで見届けたい」と話した。 国道142号は三日間とも午前六時から午後八時まで歩行者専用道路になる。また、木落し坂周辺は、安全を確保するため木落しの時間に合わせて歩行者の立ち入りも制限される。時間は八日と九日が午前十一時半、十日が同九時半から。 臨時駐車場は下諏訪中学校や下諏訪南小学校など十二カ所に設ける。いずれも有料。 木落しの観覧席は販売済みで、当日券はない。JR下諏訪駅前と下諏訪総合文化センター、おんばしら館よいさ、門前ひろば食祭館の四カ所でパブリックビューイングがある。 (御柱祭取材班) PR情報 |
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