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「給食、まずい」 中学生の相次ぐ不満に手こずる大阪市教委 「ぜいたく」との批判も 悩みに国境はなし?
11月のメニュー改善に向け、市教委は30万部超が売れている独立行政法人の病院食用レシピ本に着目。給食と同様に冷めた状態ながらも「おいしい」と評判のレシピの提供を受け、新メニュー候補を用意した。
だが試食アンケートには「味がしない」「おいしくない」といった生徒の容赦ない言葉も。市教委内からは「ぜいたくすぎる」と指摘する声があがり、給食の旗振り役である橋下徹市長もこう漏らした。
「毎日『おいしい』と言われるような給食にしなきゃいけないのかな、という思いはある」
「同じ轍は踏まぬ」
共働き家庭の要望の強まりなどから導入の動きが広がる中学校給食。コストを抑えるために大阪市と同様のデリバリー方式を採用する自治体は少なくないが、子供の味覚への対応は分かれる。相模原市では「味の評価は好き嫌いの側面が大きい」ととらえ、生徒指導での解決を目指す。
広島市では弁当箱のふたを半透明にし食べ残しを“見える化”。「担任教諭が指導しやすくなり食べ残しが減った」という。
「大阪市と同じ轍(てつ)は踏まない」。平成28年度中に中学校給食を導入する堺市は大阪市を反面教師として「温かくておいしい」弁当の提供を宣言。学校への搬送、給食までの保管を常に高温で保つとし、今後、具体的な方法を検討していく。