04月07日 19時13分
親が死んだイルカの赤ちゃんを、血縁関係のない若いメスのイルカが育てる様子を確認したと、近畿大学などのグループが発表しました。
イルカなどでこうした行動が確認されたのは初めてで、他者を助ける行動の成り立ちを探る手がかりになると注目されています。
近畿大学農学部水産学科の酒井麻衣講師などのグループは、伊豆諸島周辺にすむ野生のミナミハンドウイルカの生態を長期にわたって観察しています。
研究グループによりますと、4年前、前の月に生まれたばかりの赤ちゃんを残して母親のイルカが死に、赤ちゃんイルカは行方が分からなくなりました。
ところが、およそ2週間後、若いメスのイルカがこの赤ちゃんイルカに連れ添っているのが見つかり、その後102日間にわたって、授乳などの養育する行動が確認されたということです。
さらに調べたところ、この若いイルカは育児の経験がなく、また、遺伝子を調べた結果、死んだイルカと血縁関係はなく、特に親しい仲間でもなかったということです。
イルカを含む「野生鯨類」で親以外が子どもを育てる行動が確認されたのは初めてだということです。
酒井講師は、「イルカは病気になったとき、ほかのイルカが助けるなどの性質があり、親代わりの行動につながった可能性がある。他者を助ける行動が進化の過程でどのように生まれたかを探る手がかりになるのではないか」と話しています。
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