〔別紙〕
1 展示回復までの経緯
平成26年12月 | 「大洋の航海者:マグロ」で展示中のマグロ類(スマ、ハガツオ、クロマグロ)の死亡が続く |
平成27年1月26日 | 1月18日のスマに続き、ハガツオが死亡し、展示種はクロマグロのみとなる |
3月24日 | 展示生物がクロマグロ1尾となる |
3月30日 | 回復への第1段階として、アカシュモクザメ2尾を導入 |
4月1日 | タカサゴ約500尾を導入 |
5月15日 | 第2段階として、ハガツオ21尾を導入 |
5月22日 | スマ29尾を導入 |
6月21日 | 第3段階(最終段階)として、クロマグロ77尾を導入 |
11月7日 | スマ31尾を展示に追加 |
2 死亡原因の調査内容とこれまでの対策
以下の項目について調査しました。
(1) 死亡原因調査
水質・オゾン・毒物(急性毒性)
異常値などは認められず、致死的な影響は考えられませんでした。
電気・工事・設備
- 電気
漏電や微弱電流は検知されませんでした。 - 工事
工事の騒音・振動等による群れの行動に影響が見られなかったことなどから、原因とは考えられませんでした。 - 照明設備
照明の不点灯や交換による照度の変化などが水槽内環境に影響し、群れの行動に影響を与えた可能性がありました。
毒物(慢性毒性)・ストレス・病原体
- 毒物(慢性毒性)
異常値は検出されず、体内残留による慢性的な影響はないものと考えられました。 - ストレス要因
5年ぶりに見られた産卵行動による俊敏な遊泳や水槽衝突などにより異常を来した特定個体の遊泳などがストレス要因となり、連鎖的に他の個体に影響を与えていた可能性がありました。 - 病原体
ウイルス・細菌・寄生生物がそれぞれ一部で認められ、ある程度の影響を与えたものと考えられましたが、強毒性の病原体は検出されていません
過飽和溶存気体
連続した死亡が見られた当時、水槽内の溶存酸素が過飽和となっていたことから検証実験を行なったところ、典型的ではないものの一部でガス病を発病していた疑いが認められました。
(2) 調査結果に基づく対策
可能性のある要因に対して、以下の対策を講じました。
- 照明設備
照明器具の再点検、交換、照度の確認を行なうとともに、日常のチェック体制を整えました。 - ストレス要因
他の個体に影響を及ぼす恐れのある遊泳異常個体が見られた場合、速やかに水槽から取り上げる体制を整えました。 - 感染の未然防止
搬入前の魚の健康状態確認の強化を行いました。 - 過飽和溶存気体
溶存気体の濃度測定機器を導入し、日常のチェック体制を整えました。