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 虐待などが理由で親元で暮らせない子どもを家庭的な環境で育てようと、全国の20自治体と13の民間団体が4日、養子縁組や里親への委託を推進する「子どもの家庭養育推進官民協議会」を設立した。制度の普及・啓発のほか、国内外の先進事例の調査や政府への提言に取り組む。

 宮城、長野、三重、広島、宮崎など11県と9市、全国里親会や全国養子縁組団体協議会などが参加した。厚生労働省によると、虐待などを理由に親元で暮らせない子どもは約4万6千人おり、多くが児童養護施設や乳児院に入る。生みの親が育てられない子を引きとって法的に親子になる特別養子縁組は2014年度で513件、里親に委託された子どもは昨年3月末時点で4731人にとどまる。

 会長に就いた鈴木英敬・三重県知事は「こういう課題があると知らないことが、子どもたちの幸せの障害になっている。現場を知る民間と連携し、地に足のついた活動をしたい」と話した。(伊藤舞虹)