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 香港の映画賞「金像賞」の授賞式が3日夜にあり、中国による統制が強化された将来の香港社会の姿を予想した映画「十年」が最優秀作品賞を受賞した。4日付の香港各紙が報じた。

 「十年」は、5人の監督が短編形式で2025年ごろの香港社会を描いた。香港で日常的に使われている広東語ではなく、中国大陸で使われる普通語を使わされたり、香港独立の動きが弾圧されたりする未来が描かれている。香港市民の間では14年の民主化デモ後の現実と重ね合わせ、「予言書」という評判も出ていた。

 香港メディアによると、中国内ではこの作品についての報道や放映が禁じられているという。多くの中国メディアも映画賞について主演賞や監督賞などは報じたものの、「十年」の受賞はほとんど報じていない。中国を批判する内容に当局が反発し、報道を規制しているとみられる。

 香港では昨年12月から上映が始まり、今も各地で自主上映の動きが続いている。(広州=延与光貞)