特別お題「青春の一冊」 with P+D MAGAZINE
僕の学生生活で大きく影響を与えてくれた思い出の本は爆笑問題、太田光著の「天下御免の向こう見ず」です。
この本は小説ではなく、太田光さんの初エッセイ集。エッセイ集がこのキャンペーンの応募対象に含まれているかはわかりませんが僕にとっては大切な本なんですよ。
エッセイに中身は大田さんの学生時代の思い出や、短編のSF小説がメインです。今でこそ多くの小説を執筆されている大田さんですが、自伝も昔は多かったです。内容は大半がかぶっていますが、1番面白い部分だけがつめ込まれているのはやはり初めのこの1冊なんだろうなぁと今でも思います。
では僕にとってどのような影響を与えてくれたのかというと、
僕の高校生活は休み時間に少し話をする程度の友人はいましたが放課後一緒に遊ぶような友人もおらず、部活も所属していなかったので帰宅部でした・・・。
高校生活ってこんなものなのかなぁ・・・さっぶい人生だなぁ・・・
としばらくは面白みを感じていませんでした。
そこで出会ったのがこの「天下御免の向こう見ず」。
大田さんの高校生活は1人も友人がいなかったにも関わらず演劇部に所属し学園祭で1人演劇をやりきるっ!というエピソードが書かれていました。
周りの目を気にする事なく自分のやりたい事をやりきる行動力に感動した僕は、勢いで演劇部に入部しました。それが高校1年の冬。大田さんと同じく部員1人で、おまけに顧問もいませんでした・・・。
はじめにやった部活動は「顧問探し」だったのは良い思い出。なんとか顧問をみつけ、その後は練習方法を学びに他校の演劇部へ連絡し練習に参加させてもらいました。以前も書きましたが僕は吃音症が軽くあるので台本が読めない事もしばしばありましたが、朗読や音読と違って演技が入ると吃りが減っていったのは新しい発見でした。
部員も1人なので学園祭で演じる台本も自分で考えました。自分でセリフも考えるので吃りそうな言葉は全てカットです!自分使用の劇の完成ですよ。
完成した演劇をどこで発表するのか?大田さんは学校の一室を借り、観客は担任1人という状況で演じたらしいですが、僕はどうしても多くの人に観てほしかった。劇が完成したのは高校2年の夏休み。学園祭は9月の初めです。パンフレットももう刷られていましたが、そこは生徒会長にお願いし学園祭のオープニングで吹奏楽部の後に30分時間をもらいました。強制的に全校生徒の前で演劇を披露する事ができるのです。パンフレットは手書きで全校生徒分600冊修正しました。手伝ってくれた実行委員の先輩方には感謝。
そして本番当日。クラスのみんなには何も話していませんでした。だって学園祭で演劇をするのが決まったのは夏休みでしたからね。学園祭のオープニングひとりでしれっと立ち上がりステージに向かったのは自分に酔っていたからこそできた演出でした。
顧問の先生は最後まで、「ダルパチくん無謀だよ。全校生徒の前で30分やりきるなんて・・・」と言い続けておられましたが。僕はやる気でした。失うものなんてなかったかね。もしも演劇中、ペットボトルが飛んでこようが次の日からイジメに合おう関係ないねっ!今の目標は学園祭で演劇をやり切ること!!それだけだったから!!
結果はというと・・・。まぁまぁ成功です(^O^;)
何も飛んでこなかったし・・・。
その後は出雲市のライブ会場や地区の大会、他校の演劇部員達と合同で演劇をやったりもしました。高校1年はぱっとしない灰色の時間が過ぎていましたが、この演劇をやりきってから気持ちも明るくなれたし前向きに人と付き合えるようになったと思います。
今でも、やりたくない事や面倒な事。関わりたくない人もいるけど、怯えて何もしないより、前向きに生きていった方が楽しいよね!!
本ちょっと関係なくなってきましたね。内容がどうこうよりも、自分を動かしてくれたこの本はやっぱり大切な青春の一冊♪