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 ミャンマーから昨年1月に初めてローマ・カトリック教会の枢機卿に任命されたチャールズ・ボー氏が東京都内で朝日新聞記者の取材に応じた。アウンサンスーチー氏率いる新政権での課題について、国内における仏教僧の過激派の動きに懸念を示し、民族・宗教間の対立について「対話を促したい」と語った。

 ボー氏は人口の9割近くを占めるとされる仏教徒のうち、一部の急進的な仏教僧が「ミャンマーがイスラム化する恐れがある」などと、イスラム教徒を標的にしたヘイトスピーチをしていると指摘。ミャンマーの仏教徒に対する国際的なイメージが悪化していると警鐘を鳴らし、「宗教対話こそ恒久的な平和に貢献する」と話し、カトリック教会の指導者として問題解決を促す意欲を示した。「新生ミャンマーをつくるか壊すかのカギを握るのは宗教指導者たちであり、頻繁にミーティングを持つことが大事」だと話した。

 1948年の独立以来、内戦が続いてきた各地の少数民族との和平も新政権の重要課題として挙げ、「武力闘争を終結させ、和解と融和を実現することを優先すべきだ」と述べた。イスラム教徒のロヒンギャが隣国の「バングラデシュ移民」として差別的な扱いを受けていることについては、「重要なのは市民権を与えること」とした。

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