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なお収集している情報は主に食品中化学物質に関するもので、食の安全にとって最も問題である微生物関連情報は扱っておりません。

2016-04-06

[]将来の食品安全上の重要課題を同定する研究

Study identifies key topics for future work in food safety

31 March 2016

http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/160331

EFSAの委託した将来の食品安全上の重要課題を同定する研究が28の重要トピックスを同定した。この結果はEFSAとEU加盟国の協力の指針となり共通リスク評価課題を設定するのに寄与するだろう。

この研究は3回の反復調査のデルファイ法を用いたもので、200人以上の食品安全リスク評価に関わる広範な分野の科学者や専門家が参加した。専門家に資源の節約やリスク評価への価値、ハーモナイゼーションの向上といった特定の基準で食品安全の優先課題を同定しランキングをするよう依頼した。28のトピックスを化学物質、微生物、環境リスク評価、栄養、分野横断的一般の5分野にまとめた。それぞれの分野の二つをトップとランキングした。その結果、欧州横断での共通データ収集、総合暴露のリスク評価、抗菌剤耐性、人獣共通感染症、食品中緩急汚染物質、食品の標準的リスクベネフィット評価法の開発、などが選ばれた

(28の中にはサプリメント、アレルゲン、RNA干渉、ベビーフードなども入っている。)

[]ASA裁定

ASA Ruling on Body Wraps Berkshire

30 March 2016

https://www.asa.org.uk/Rulings/Adjudications/2016/3/Body-Wraps-Berkshire/SHP_ADJ_316655.aspx#.VwRx3JYVhaQ

Facebookでの減量プログラムの宣伝。赤ちゃんと一緒の女性が8週間 Body Wraps(海藻やミネラルを含む泥をラップで巻き付けると脂肪が溶けるという減量法)をしたらお腹とヒップが痩せたと主張する使用前・使用後の写真を掲載。この写真は誇大広告ではないかという苦情があったためASAが問い合わせたところ、会社側からこの女性の住所や名前や女性とのやりとりなどが提出された。その中でその女性は食事を変え水を飲みジムに通うなど他の方法もしていると書いてあった。そのため画像を取り下げたと回答。また製品の製造業者(It Works! Global)はこの製品は美容への影響だけを意図していると回答した。

ASAはこの宣伝は8週間でこの製品で減量できると理解されると判断。女性は実在するが使用前と使用後の画像は同じ日に受領していて8週間の効果を示してはいない。従って宣伝内容は事実と異なり誤解を招くものであると判断。

(It Works!は化粧品とサプリのネットワークビジネスらしい)

[]犬のマイクロチップ義務化発効

Compulsory dog microchipping comes into effect

6 April 2016

https://www.gov.uk/government/news/compulsory-dog-microchipping-comes-into-effect

2016年4月6日から、犬のオーナーに犬へのマイクロチップ義務化

(日本の犬ってどのくらい入ってるのかな?)

[]リコール

INVISIBLU International社は使用が認められていない実験的医薬品Lgd-4033(リガンドロール)を含むContinuum Labs Lgd-4033を全国で自主回収

INVISIBLU International LLC Issues Voluntary Nationwide Recall Of Continuum Labs Lgd-4033 Due To Product Containing LGD-4033 (Ligandrol), An Investigational Drug Not Approved For Use

April 5, 2016

http://www.fda.gov/Safety/Recalls/ucm494151.htm

この製品を使用することによるリスクはわからない。製品はLGD-Xtremeダイエタリーサプリメントとして筋量増加効果を宣伝して販売されていた。

製品の写真有り

(選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARMs)というグループの薬物がボディービル業界でステロイド代用品と宣伝されて流行っているらしい)

[]FDAは輸送時の食品安全を確保するための最終規則を発表

FDA releases final rule to ensure food safety during transport

April 5, 2016

http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm494125.htm

食品安全近代化法のもとでの6番目の大きな規則

輸送時の汚染を防ぐのに役立つ規則で、フードチェーン全体にわたる食品安全問題を予防することに焦点をあてた努力の一環。

(着々と進めている。日本はどれだけ遅れをとるのだろう)

[]フェノキシエタノールについての意見

SCCS –Opinion on Phenoxyethanol

http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/consumer_safety/docs/sccs_o_195.pdf

2016年5月31日まで意見募集

化粧品の保存料(防腐剤)としての最大濃度1.0%までのフェノキシエタノールと2-フェノキシエタノール

フランスANSMが3才以下の子ども製品のフェノキシエタノールの使用上限を1%から0.4%に下げるべきだという報告をしたことによる評価。

2-フェノキシエタノールの毒性評価において、ウサギよりヒトのほうが代謝能力が高いことを考慮してデフォルトのトキシコキネティクスについての安全係数4.0を1.0に減らす、ということをしている

パラベンフリーとか無添加とかオーガニックと宣伝されている製品によく使われているらしい。ちなみにパラベンは食品添加物として使用できるがフェノキシエタノールは食品には使えない。単純にパラベンのほうが長くいろいろ使われていたために研究も多く、「疑わしい」という主張も多かったためにデータの少ないものにシフトしただけだろう。そして研究が増えればまた難癖も増えて「使ってません」を売りにする製品が売られるようになる。BPAと同じでいいかげん学習しないのかな。化粧品の分野は特にイメージだけで売ってる部分があるから)

なたの赤ちゃんの食事のヒ素を減らすためのtips

米国小児科学会

Tips to Reduce Arsenic in Your Baby’s Diet

Last Updated 4/1/2016

https://www.healthychildren.org/English/ages-stages/baby/feeding-nutrition/Pages/reduce-arsenic.aspx

そう、ヒ素である。それは天然に我々の環境中に、有機化合物(普通は害がない)と無機の両方の形態で存在する。無機ヒ素は有害で発がん性がある。特に大きな健康リスクがあるのは妊娠中、乳児期、小さい子どもの時期である。

FDAは乳児用コメシリアルの無機ヒ素の規制値を提案している

2016年4月にFDAは乳児用コメシリアルの無機ヒ素の規制を提案した。FDAの発表は大量の科学的情報を評価したことに基づく。しかしながらFDAは私たちがコメやコメ製品をどれだけ食べるべきなのかについては特に限度を薦めていない。そうではなく、乳幼児や妊婦を含む全ての消費者に、多様な穀物を含む多様な食品を食べるべきだと助言し続けている。米国小児科学会(AAP)は提案されたアクションレベルを支持し、両親に対してこの問題についてのヒントを提供する。

あなたの赤ちゃんのヒ素暴露を減らす方法:

・母乳を与える AAPは6ヶ月までの赤ちゃんの栄養源としては母乳を薦めている。固形食を導入するときも12ヶ月まで母乳を続け、赤ちゃんが望むのであれば12ヶ月を過ぎても与えていい。最初の1年はビタミンDと鉄について医師と一緒にチェックすること。

・赤ちゃんにはいろいろなものを食べさせる 鉄強化コメシリアルは良い栄養源であるがそれだけを食べさせるべきではなく、最初に食べさせる必要もない。オート麦、大麦、複数穀物シリアルなどの選択肢がある。新しい食品を与えるときには少量から始め何か反応が出るか注意する。

・フルーツジュースを制限する 2012年にジュースのヒ素が問題になった。何年もの間AAPはジュースを含む全ての甘い飲み物は制限するよう助言している。乳児には丸ごとの果物か、すりつぶしたり裏ごししたりしたものを薦める。幼児や小さい子どもにはジュースではなく丸ごとの果物を勧める

・子ども用加工食品の甘味料としての玄米シロップを避ける コメのヒ素はコメシロップに濃縮されていて、しばしば子ども向けおやつの甘味料に使われている

・牛乳の代わりにライスミルクを使わない

(玄米シロップやライスミルクはオーガニックや健康を謳った店舗で取り扱われることが多いので、普通の店で普通に買い物してればいい。)

[]論文

小麦の進化からの教訓:野生から我々のスパゲティ料理まで

A lesson from wheat evolution: From the wild to our spaghetti dish

5-Apr-2016

http://www.eurekalert.org/pub_releases/2016-04/mbae-alf033016.php

農業の黎明期から、人類は収量と食品としての利益を最大化する植物を選択してきた。しかしそれはゲノムに大きな足跡を残し、その栽培化に進化上のトレードオフはあるのか?Molecular Biology and Evolutionにオンライン発表された新しい研究ではパスタ用の小麦の進化の歴史を探った。小麦の栽培化には二つの大きな時期があり、野生からemmer小麦(約12000年前、収穫が簡単に)へ、さらにdurum小麦へ(約10000年前)と変わった。emmer小麦の栽培化で不飽和脂肪酸が減り、durum小麦への変化でアミノ酸含量が変わった。

その他

  • Hain Celestialが一部の製品の組成を変え化学物質についての主張を取り下げる

Hain Celestial to Reformulate Some Products, Drop Claim on Chemical

By Serena Ng  April 3, 2016

http://www.wsj.com/articles/hain-celestial-to-reformulate-some-products-drop-claim-on-chemical-1459730257?cb=logged0.3892340143981954

ナチュラル製品メーカーは長い間「刺激の強い化合物」は含まないと言ってきた

米国最大のナチュラルシャンプーや皮膚洗浄剤メーカーは何十もの製品の組成を変更し、ラウリル硫酸ナトリウムを含まないという宣伝文句を取り下げると言った。

(WSJが「ナチュラル製品」の嘘に気がついてしまったようで。

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20160316#p15

ちなみに環境によさそうな雰囲気で消費者を騙す手法はグリーンウォッシュGreenwashとよばれている。)

  • 胎盤を食べた?三つの奇妙なセレブの食に関するきまぐれ

Got Placenta? Three Weird Celebrity Eating Fads

by Berkeley Wellness | April 05, 2016

http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/got-placenta-three-weird-celebrity-eating-fads

セレブは健康のためと称して時に極めておかしなことをすることが知られている。最近一部のセレブが薦めている(あるいはやってみている)3つの流行をここに示す−全てが多分母性本能の間違いである。

胎盤を食べる

読んだとおり。胎盤は妊娠中に胎児に栄養や酸素を与え廃棄物を除去するものである。胎盤を食べることは一部の文化で例があるがハリウッドに進出してきた。Kourtney KardashianやJanuary Jones、Alicia Silverstoneなどの新米ママが出産後に痛みや鬱が減る、エネルギーが増える、よく眠れる、母乳の質が良くなるなどと主張している。胎盤は生やスムージーに混ぜたり調理したりカプセルに加工したりして食べられている。しかし2015年にArchives of Women’s Mental Healthに発表されたレビューによるとそのような主張を支持するしっかしりた科学的根拠はない。さらに生の胎盤には細菌感染や他の汚染物質が含まれる可能性があり安全でないかもしれない。

母乳を飲む

もうひとつのニューエイジの行動に、自分の、または他人の殺菌しない母乳を飲むというものがある。Jennifer Anistonがテレビで味見したと言った。男性でもする。提唱者は「ナチュラルスーパーフード」と言い、牛乳より消化しやすい、筋肉増強、免疫強化、運動パフォーマンス強化、慢性疾患治療、さらに勃起不全治療効果があるとすら主張する。しかし2015年にJournal of the Royal Society of Medicineのエディトリアルで母乳を飲むことが成人にとってなんらかの健康上のメリットがあるという根拠はないと警告している。さらに問題なのは未殺菌の母乳がオンラインで成人向けに販売されていることである。全ての未殺菌ミルク同様最近やウイルスのリスクと、他の種類の汚染物質のリスクがある。

ベビーフードダイエット

これはLady Gaga やJennifer Aniston のようなスターが試したとされる、トレーナーのTracy Andersonが始めたものである。7日間ビン入りベビーフードを朝昼食べて夕食は低カロリーにするというもの。これはただの短期間の過激なダイエット法で、エネルギーと栄養が足りない。他にたくさんの、お金持ちや有名人が薦める不健康な食事計画については「セレブダイエットの真実http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/diet-weight-loss/slideshow/truth-about-celebrity-diets」をどうぞ。

(日本語の「プラセンタ」は全て豚胎盤に変換してporcine placentaで画像検索したものを思い浮かべればいい)

  • サブウェイは今月から米国の全ての店舗のメニューにカロリーを表示

SUBWAY® Sandwich Shops to Include Calories on all U.S. Menu Boards This Month

Apr 05, 2016

http://www.prnewswire.com/news-releases/subway-sandwich-shops-to-include-calories-on-all-us-menu-boards-this-month-300246284.html

国の規制の1年以上前に履行

2016年4月11日から新しいメニューパネルを表示

  • ゴールドコーストの母親がワクチンを拒否して赤ちゃんに百日咳をうつす

Gold Coast mum passed on whooping cough to baby after refusing vaccine

April 6, 2016 9:14am

JANE HANSENThe Daily Telegraph

http://www.heraldsun.com.au/lifestyle/parenting/gold-coast-mum-passed-on-whooping-cough-to-baby-after-refusing-vaccine/news-story/72f64c7edaa77a796ae8d41856646b1c

妊娠中にワクチンを拒否してその後百日咳になって生まれたばかりの女の赤ちゃんに恐ろしい病気をうつしてしまった母親が、ゴールドコースト保健省の掲載した動画に出演して他の人たちに危険性を警告している。彼女は自分は健康的で「オーガニックな」女性だからという理由でワクチンを拒否したと語っている。「私は健康な妊婦で、ジムに通って運動していて、食生活はとても健康的で、自然分娩なのにどういうわけか妊娠の最後の2週間のうちに百日咳にかかった」。出産後咳が止まらなくて医者に行ったら百日咳と診断されて赤ちゃんのEvaにもうつっていると言われた。Evaの百日咳は悪夢だった。最初は咳が少し出ていると思っていたが2週間のうちに咳は恐ろしいものになり、まるで恐怖映画のようで、青くなり、私の腕の中でぐったりして、私は病院に駆け込んだ、と彼女はいう。「ICUに入院して、私は彼女を見ているのが辛かった。こんなに小さいのに咳が止まらず、赤くなり、青くなり、またもとに戻って、時に死んだようになりぐったりする。こんなに愛しているのに苦しめるなんて。私は妊娠28週の時に予防接種を薦められた。でも健康で運動しているオーガニック女性だったので「ほうっておいて。そんなくだらないものはいらない」と言った。私自身の百日咳はとても早く治ったが娘は苦しんでいて私は一時間毎に彼女が泣くのを、青くなるのを見て酸素を与えている。もし戻れるのなら予防接種をするのに。」

オーストラリアでは昨年百日咳が22516例と流行の兆しがあり、昨年の4月から無料で妊婦に百日咳ブースターが導入されている。

(何故オーガニックだと予防接種がいらないことになるのか、理ではつながっていないようだけれど現象としては良く一緒になっている。こういうやつhttp://veggy.blog.shinobi.jp/Entry/13/

入り口が農薬や添加物が悪いに違いない、なんだろうけれど、どこまでいくのかを決めるのは何だろう?)

  • フェンタニルを他の薬物と混ぜる傾向は「極めて気がかり」とキングストン警察は言う

Trend of mixing Fentanyl into other drugs 'quite disturbing,' Kingston police say

Apr 05, 2016

http://www.cbc.ca/news/canada/ottawa/fentanyl-kingston-naloxone-1.3521404

今年キングストンで使われたオピオイド過剰使用治療薬ナロキソンは12回以上