米副報道官が意義説明
【ワシントン西田進一郎】ケリー米国務長官が主要7カ国(G7)外相会合に合わせて広島市の平和記念公園を訪れることについて、米国務省のトナー副報道官は5日の記者会見で「第二次世界大戦で亡くなったすべての人たちを追悼するものであり、オバマ大統領が提唱する『核兵器なき世界』を強調するものになる」と意義を説明した。
ケリー氏は11日、同じ核保有国である英仏を含む各国外相とともに同公園を訪れる。原爆資料館を視察し、原爆慰霊碑に献花をする予定だ。トナー氏は会見で、「ケリー氏は公園を訪れる他の外相たちに加わる」と説明し、訪問の際に演説などをする計画はないとした。
一方、訪問に対して米国内から反対の声が上がると懸念するかとの質問には「そうは思わない」と答え、訪問目的は第二次大戦の犠牲者追悼であると重ねて強調。「終戦後、日米は最も緊密で強固な同盟国となり、アジア太平洋地域に平和と繁栄の時代を作った。これを前進させたい」と説明した。
ホワイトハウスは、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の際にオバマ大統領が広島を訪問することを検討しており、ケリー氏の訪問や国内外の反応などを踏まえて慎重に判断する見通しだ。