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 広島で10日と11日、主要7カ国(G7)外相会合が開かれる。ベルギーで連続テロ事件が起きたばかりとあって、警察や海上保安庁は厳重な警備態勢で臨む方針だ。ピリピリしたムードが被爆地を包むなか、平和記念公園を初めて訪れる核保有国の現職外相たち。核廃絶を求めてきた被爆者の期待も高まる。

■島がメイン会場、周囲は海

 外相会合のメイン会場となるグランドプリンスホテル広島はJR広島駅から南へ約6キロの「宇品(うじな)島」(広島市南区)にある。広島港から1本の橋でつながっているが、東西と南側は瀬戸内海に面している。

 周囲には大小さまざまな島や広島名産の「カキ」を育てる筏(いかだ)が点在し、港側には工場や倉庫、エネルギー関連施設が立ち並ぶ。漁船や島々を結ぶフェリーも行き交い、広島海上保安部の吉田智行・警備救難課長は「テロ攻撃の対象になれば重大な結果を招く」と危機感を強める。

 各国外相は10日、外相夫人は11日、海上に浮かぶ社殿で知られる世界遺産・厳島(いつくしま)神社(広島県廿日市(はつかいち)市)にも訪れる。海保はすでに海上警備に取り組み、1日には巡視艇で巡回。不審な船や不審物、沿岸部の施設に異変がないかをチェックした。船舶に声をかけ、情報提供を呼びかけているといい、吉田課長は「地域で一体となり、監視の目を強めていきたい」と話す。