仏ノーベル賞学者「世界経済厳しく構造改革必要」

仏ノーベル賞学者「世界経済厳しく構造改革必要」
伊勢志摩サミットに向けて著名な経済学者と意見を交わす会合で、安倍総理大臣が世界経済の力強い成長に向けて議論をリードする考えを示したのに対し、フランスのノーベル経済学賞受賞者は、世界経済は厳しい状況に直面しており構造改革が必要だと指摘しました。
安倍総理大臣は来月の伊勢志摩サミットで、世界経済の安定に向けてメッセージを発出したいとして、先月から著名な経済学者と意見を交わす会合を開いており、4回目となる7日は、おととしノーベル経済学賞を受賞したフランスのジャン・ティロール氏を講師に招きました。
冒頭、安倍総理大臣は「G7=主要7か国による政策協調が求められるなか、議長国としての責任を果たしていかなければならない。世界経済の持続的かつ力強い成長を実現するため日本としてどのような貢献をしていくべきか、世界の議論をリードしていきたい」と述べました。
これに対しティロール氏は「世界経済が直面する厳しい状況や減速している成長見通しについて議論したい。パリで行われた地球温暖化対策を話し合う国連の会議、COP21の次についても話したい。さらに金融情勢や構造改革についても話したい」と述べました。
会合では、ティロール氏が、世界経済は不安定なユーロ圏経済や低金利が続く金融動向など厳しい状況に直面しているうえ、地球温暖化対策など気候変動への対応も迫られているとして、産業などの構造改革が必要だと指摘しました。

官房長官「消費税率 話題にもならなかった」

菅官房長官は午前の記者会見で「ヨーロッパを代表する著名な経済学者から世界経済に関する見解をうかがうことができ、伊勢志摩サミットに向けて大変有意義な会合だった。安倍総理大臣は、ティロール氏の説明に対して、伊勢志摩サミットに臨むにあたって必要なことについて質問をされていた」と述べました。そのうえで菅官房長官は、記者団から、消費税率の引き上げや財政出動について言及があったのか質問されたのに対し、「全く話題にもならなかった」と述べました。