フォトリアルな描画を可能とするVR向けレンダリングエンジン『Iray VR』をNvidiaが発表
GTC(GPU Technology Conference)2016にて、Nvidiaは今までにないフォトリアルなVR体験を可能にする画期的なレンダリングエンジン『Iray VR』を発表し、壇上にてデモを行いました。
Iray VRは、光と物質の物体的な挙動を物理的にシミュレーションすることにより、ほぼ現実に近いフォトリアルな描画を可能とするレイトレーシングプラグインです。このような現実的なフレームでのレンダリングは非常に長い時間がかかり、ましてや高フレームレートでの描画が求められるPC向けのVRHMDにおいては、リアルタイムでのレンダリングは今まで行われていませんでした。
しかし今回Nvidiaが発表したIray VRはVRに互換性があることを強調。レンダリングする空間を通過する光の情報を含む体積領域を“光プローブ”として作成し、視聴者の位置情報に基づいてサンプリングするプローブを選ぶことでリアルな見え方を再現できるとのこと。
実際にステージ上で行われたデモでは、HTC Viveを用いて同社の未来のオフィスビューを表示しました。ポジショントラッキングに対応しているかについてデモでは分かりませんでしたが、映像は非常に綺麗にレンダリングされている様子が見てとれます。
https://www.youtube.com/watch?v=uFahmqmnKX0
同社はさらに、Iray VRのモバイルデバイス対応版である『Iray VR Lite』も発表。こちらも同じくレイトレーシングプラグインであり、Iray VR と Iray VR Lite は両方とも6月より利用可能になるとのこと。
(参考)
First Look: NVIDIA Reveals Iray VR for “Breakthrough Photoreal Virtual Reality”(英語)
http://www.roadtovr.com/first-look-nvidia-reveals-iray-vr-for-breakthrough-photoreal-virtual-reality/
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ふかふか(@FukaFuka295)
VRやARなどのロマン溢れる最先端技術に興味のある理工系大学院生です。趣味でホームページや動画の制作も行っており、現在は「Mogura VR」さんにてVR関連の記事を執筆しております。