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「富に縛られず、幸せの道を」

記者会見するウルグアイ前大統領のホセ・ムヒカ氏=東京都千代田区の出版社「KADOKAWA」で2016年4月6日、山本太一撮影

ホセ・ムヒカ氏が初来日

 質素な暮らしぶりから「世界一貧しい大統領」と呼ばれた南米ウルグアイの前大統領、ホセ・ムヒカ氏(80)が初来日し、6日、東京都内で毎日新聞などの取材に応じた。ムヒカ氏は「地球にはみんなで生きていけるだけの資源がある。富に縛られず、どうすれば幸せになれるか考えよう」と呼びかけた。

     貧困家庭に生まれたムヒカ氏は左翼ゲリラ活動で4回、投獄された。1994年に国会議員となり、2010年に大統領に就任したが、任期中の5年間、大統領公邸に住まなかった。また、給料の9割を貧しい人々に寄付し、首都モンテビデオ郊外の農場の畑を耕して暮らす清貧ぶりが、国民から愛された。

     ムヒカ氏が注目されたのは、12年にブラジル・リオデジャネイロで開かれた国際会議での演説だ。「グローバル経済に人類が振り回されている。貧しい人とは無限の欲があり、いくら持っていても満足しない人」。資本主義を批判する言葉が反響を呼び、メッセージを紹介する絵本が日本でも出版された。

     今回は、業績を紹介する本「世界でいちばん貧しい大統領」が先月末に発売されたのを機に出版社の招きで来日。ムヒカ氏は「資本主義や競争社会は文明の原動力で、科学技術は大きく進歩し、人間の寿命も延びた。しかし、資本主義の拡大を誰も止めることはできず、経済格差は広がる一方だ」と持論を熱く語った。【山本太一】

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