綺麗になった道路を見て思ったこと
いまね、よく使う道路を拡張してるんですよ。狭かった道路自体を広げて、ついでに歩道もぐっと広げたんですよね。自転車専用の通行帯まで作ってあります。
まるで電気で光っているかのような反射材が車道と歩道を遮るブロックに綺麗に並んでいて、すごくわかりやすい。自転車と歩行者もしっかり分けられている。これは車、自転車、歩行者に優しい道路だ。でも、これも間もなく終わる。
それはそのうち街路樹を植えるから。今日はそんな話。
街路樹っていらなくない?
車を運転していると街路樹が邪魔で見えにくい歩行者や自転車がいたり、自転車で走っていると雨で濡れた葉が落ちてて滑ったり、歩いていたら街路樹のせいで見えなかったのか急に車が曲がってきて轢かれそうになったりしたことありません?
メリットよりもデメリットのほうがよっぽど多いなら街路樹なんてやめてしまったらいいと思うんですよ。というか僕にはデメリットのほうがはるかに多いんですけど。
行政の文書より
僕が思うくらいだから、きっと色んな人が考えてるよと思ったら…北海道の行政法人が文書を作ってたりするわけです。
「街路樹は必要ですか?」なかなかストレート勝負だな。写真一杯のPDFなのでスマホの人は見ないほうが良いです。あとで箇条書きで概要載せますから。
https://www.hro.or.jp/list/forest/research/fri/kanko/fukyu/gairoju/gairoju03.pdf
メリットとデメリットを箇条書きで述べた上で、デメリットに対する対応を考えることで最後はメリットがあるから街路樹は大事だよね、と結論付けてるんですけど…僕には苦しい街路樹必要論に見えて仕方が無いんですよね。
この文書に出てくる街路樹のメリットが大きく3つ。
- 交通安全
走行視線の誘導、トンネルなどの明暗差の緩和、対向車などの遮光、交通の分離(車、歩道、自転車の境目として)、防風、防雪効果 - 修景効果
(修景:都市計画や公園建設で,自然景観を破壊しないよう整備すること。修景保存)修景とは - 環境アセスメント用語 Weblio辞書
都市景観向上、自然景観をはかる、緑を浴びたら気持ちがいい、失われた自然の復帰、地域の風土、季節感をPR - 環境保全
騒音緩和、大気の浄化、緑の影で路面温度、気温を下げる、火災の延焼防止、炭素を増やして地球温暖化防止、法面(道路を作った時などにできる人工的な斜面)の保護
これでもかと苦し紛れのような、小学校の学級会で発表するかのようなメリットが並んでるわけですけど、わざわざこれを道路の際でやる必要あるんですかね。
交通安全のメリットなんて街路樹を使うより代替え品がいっぱいあると思うんですよ。「いやいや、自然に配慮しろよ」というなら生分解性プラスチックもあるからね。
生分解性プラスチックはすでに土木工事の型枠や釣り糸、医療用具、容器などで実用化されてることもあるし、こういうものを使えば街路樹のように除草や枝払い、落葉対策などをする必要もない。分解される前に定期的にメンテナンスしてやればいいならまさに「都市計画」に組み込みやすい。自然を自然をというのなら街路樹ではなく、都市計画からきちんと緑を意識した公園を作ったらいい。
ましてや街路樹からどれだけの空気清浄効果、地球温暖化への対策効果があるのかしら。街路樹で騒音を緩和しようといえどみっちり隙間なく並べても木の上から音なんて出るだろうし・・・?はて。
結局、交通安全も修景効果も環境保全もなんだか「まず街路樹必要ありき」であと付けされた理由を並べられてる気がして仕方が無いんですよね。
そしてこの文書、街路樹へのデメリットというか北海道民からのクレームについてまとめられてます。そしてそれに対して一つ一つ対策も。
- 枝や葉が日陰をつくる
→緑陰の効果(温度上昇を防ぐ)を説明する、剪定をおこなう - 葉がごみになる
→落葉する前の夏に剪定してしまう、ゴミにせず肥料化して資源として有効利用、住民と掃除する - 落ち葉でスリップしやすい
→落葉前に剪定する、葉っぱの小さい樹木を選ぶ - 虫が出る
→害虫が出にくい木を選ぶ、住民と一緒に駆除する - カラスが巣を作る
→人を襲うかもしれないので見つけたらすぐ巣を撤去する - 根で家が壊される
→そんなのは確認されてない - 根で歩道が盛り上がる
→根が張る場所を確保して歩道が盛り上がらないようにする
そこまで必死に街路樹のために頑張らなくても・・・特に住民の皆さん。逆に街路樹がなかったらこれらの対策する必要すらないのに。
そして最後にこの殺し文句。
沿線住民の方々と連携し、協力しあいながら街路樹の維持管理を行い、住民が自慢
できる立派な街路樹造りを目指しましょう街路樹の長所(効用)>街路樹の短所(苦情)
いや、僕には間違いなく苦情のほうが多いと思うんだけど。
それでも結局街路樹を植える理由って
ちょっと探して見つけた地方自治体の街路樹などの保全に対する予算って結構なものなんですよね。
- 横浜市(H25) 9億3082万円
- 名古屋市(H26)約8億円(平成9年18億円)
- 京都市(H23)4億6000万円
街路樹があると、季節ごとに除草したり剪定したり落ち葉の掃除、排水口につまった葉の除去、夏場には散水や防虫対策など何かしらお金がかかります。そのお金って結局どこかに何かの名目で予算から支払われているわけで。それが数億円とか。
街路樹なくなっちゃうとそういうお金って要らなくなるんですよね。要らなくなるといろんな人や企業や自治体の部署が困るから街路樹はなくせない、なんてことはまさかないですよね?
自然を壊せって言ってるんじゃないんですよ。自然は自然で大事にしたらいいし、緑の下で遊ぶのは大人も子供も楽しいし大切なことだと思うんですよ。でもそれを全然街路樹に求めていく必要ってないんじゃない?その理由ってなんなんだろう。さっきの理由以外の部分が大きいんじゃないかと思ってしまいます。
結論は・・・やはり
僕の調べられた範囲内ではやっぱり街路樹なんて要らないと思う。一番大事なのはやっぱり車、自転車、歩行者からの視認性。車と車以外をしっかり分けたいのならそれなりのポールなりフェンスなりで分けたら良い。それでもどうしても街路樹を植えなくてはいけないというのなら、車・自転車・歩行者のそのまだ外側、誰のなんの障害にもならない場所に植えてくれたらいいと思う。
はい、街路樹なんていらないという結論になりました。
どうしても、というのならこんなものを植えてもらったら・・・笑
すっごく小さいんですけどねw
以下、過去記事です!