韓国経済の柱である輸出の前年割れは15カ月連続となり、史上最長記録を更新し続けている。その低迷ぶりを象徴するのが、電機や自動車、鉄鋼、石油化学と並ぶ5大産業の一角を占める造船業界の不振だ。上位3社のうち2社の新規受注件数が今年1〜3月の間、1件もなかったという異常事態だ。経済失政続きの朴槿恵(パク・クネ)政権ではなすすべもないのか。
韓国の産業通商資源部の暫定集計によると、3月の輸出額は前年同期比8・2%減。昨年12月以降、2ケタ減が続いていたのと比べると減少率は小さくなったが、前年割れは昨年1月以来15カ月連続となり、過去最長の不名誉な記録をさらに伸ばした。1〜3月の3カ月累計では前年同期比13・1%減と低迷が続いている。
主力品目別では、原油価格下落の影響で大きく落ち込んだ石油製品(41・6%減)と並んで足を引っ張ったのが船舶(28・9%減)だ。
朝鮮日報によると、韓国造船業の「ビッグスリー」と呼ばれる上位3社のうち、2位の大宇(デウ)造船海洋と3位のサムスン重工業の今年1〜3月の船舶受注はゼロ。この時期の韓国の造船会社全体でも船舶受注は8件にとどまっているという。
3社の中でも、最も業績が厳しいのが大宇で、2015年12月期の連結営業損益は2兆9371億ウォン(約2852億円)の赤字だった。
さらに過去2年間に2兆4333億ウォン(約2363億円)の損失を計上していなかったことも発覚、13年と14年の決算も営業黒字から大幅赤字に訂正した。
首位の現代重工業も、15年12月期の連結営業損益は1兆5401億ウォン(1495億円)の赤字。前年は3兆ウォンを超す赤字だった。
サムスン重工業も15年12月期に1兆5019億ウォン(1458億円)の赤字と総崩れだ。