お味噌汁もあって小皿もあって
(刑事)はぁはぁはぁ…。
はぁはぁ。
ざくろか…。
カチ!誰だ?お前。
もしやお前黒幕刑事だな?・違う。
私は普通の刑事だ。
一番プレーンな刑事ってことか。
・バン!
(銃声)何じゃこりゃ!あぁ…。
ごほっごほっごほっ!
(普通の刑事)犯罪刑事!・はははっ…。
誰だ!?もしや黒幕刑事…。
・違う。
私は…普通の犯罪者だ。
(刑事)一番プレーンな犯罪者か。
(普通)しっかりしろ犯罪刑事!
(刑事)普通の刑事…俺はもうだめだ。
最後に1つだけ望みを聞いてくれ。
(普通)おう何だ?言ってみろ。
(刑事)あっ…。
たばこを1本吸わせてくれ。
(普通)悪い。
俺たばこ吸わないんだ。
えっ?
(普通)それに外でたばこを吸うことは条例で禁止されている。
ははっさすが…普通の刑事だ。
犯罪刑事〜!!
(ナレーション)ついに殉職したあの男が奇跡的によみがえる。
あるときは刑事またあるときは犯人。
果たして刑事か犯人か。
そして人間なのかロボットなのか。
新ドラマ「犯罪コップ」是非ご覧ください。
(カンナ)すご〜い!またやるんだ。
またやるんですね。
(迫田宏)何でもありだね。
(夏希)決まりました?
(枝分)う〜んちょっと待って。
もうだいぶ待ってますけど。
もう2択まできてるから。
じゃあ決まったら呼んでください。
・
(ドアの開閉音)
(夏希)あっ標さんいらっしゃいませ。
いらっしゃ〜い。
(標)あぁ〜どうもどうも。
ふぅ〜。
(標)枝さん。
はい。
3カ月間お疲れさまでした。
ん?えぇ〜今日はどうなさいますか?そうですねこれっぽい感じにしてください。
これっぽい感じ?これっぽい感じで。
あぁ〜なるほど。
他には。
第2希望とかあれば。
第2希…あっいやあのこれっぽい感じで。
これっぽい感じ?はい。
例えばあれなんかどうですか?・あぁ〜大丈夫です。
逆にそれっぽい感じで攻めてみるとか。
・大丈夫です。
これっぽい感じで。
なるほど。
(心の声)私は今分岐点に立たされている。
このモデルと彼とでは持って生まれた資質が違う。
仮に全く同じ髪形に仕上げたところで全く違う完成品になるのは目に見えている。
そしてこの客はきっとそれを自分の資質ではなく私のカット技術のせいにするだろう。
それだけは回避したいが正直なことを伝えると彼を傷つけてしまう。
だけど優しくない優しさだってある。
お客さん。
はい。
私もプロです。
お客さんのご希望どおりこれっぽい髪形にすることは簡単です。
ええ。
しかし鏡をご覧ください。
ん?顔をこれっぽくすることはできません。
いくら髪形をこれっぽくしたとしても顔が全くこれっぽくない以上全体のイメージはかなりかけ離れたものになります。
その理解と覚悟がおありなら私も自信を持ってこれっぽい髪形にさせていただきますがそうでないのならご自身の顔に合った髪形にされたほうがよろしいのではないかと思うのですがいかがでしょうか?じゃああれっぽい感じで。
かしこまりました。
・ねえねえ!ねえねえ!ねえねえ!はい。
これっぽい感じで。
これっぽい感じで?はい。
はいかしこまりました。
この秋の新ドラマ「犯罪刑事」ご覧ください。
いかがでしょうか?いい感じですね〜。
結果オーライである。
(ナレーション時田真緒)
私の名前は時田真緒。
私にはつきあって5年の彼がいます。
優柔不断だけど真面目で優しいのが彼のいいところ。
そんな彼に今日は相談したいことがあってここに来ました。
実は今新しい仕事を始めようかと思っていて。
もし彼がこの先私との結婚を考えてるのならこれは2人の将来に関わってくることだから。
私は今人生の分岐点に立たされています。
来た。
あっ大丈夫ですよ。
待った?ううん。
ねえ決まった?ん?あっちょっと待って。
人生とは分岐点の連続で…。
もう前菜選びに何分かかってんの?前菜選びは重要ですよ。
いってみればオープニングセレモニーのようなものだからね。
ソチオリンピックのオープニングセレモニーなんかさ2時間48分…。
もうわかったから。
すいません。
前菜はこれとこれで。
(店内のBGM)あのさ…。
何?実はね…。
ねえってば。
もう決めるから。
ほら食後のデザートで失敗したくないからさ。
枝君いっつもそう。
ん?いつもとは?優柔不断で何も決められない。
僕はべつに優柔不断じゃないし優柔不断だから時間がかかっているわけじゃないよ。
じゃあ何?デザートというものはこのテーブルで最後に口にするものでしょ。
何を口にしどう締めくくるかで今日のこの食事の印象が大きく変わってくるわけよ。
ほらよく言うじゃない終わりよければ全てよしってさ…。
そういうのを優柔不断っていうの。
つきあったときだってそう。
私が言いださなかったら自分からは言わなかったでしょ?彼女は今いらいらしている。
たまにこの人ほんとに私のこと好きなのかなって思うときあるよ。
どうしてそうなるかな〜。
だってそうじゃん。
自分から気持ちを口にしないから何考えてるかわかんないよ。
今日だってそう。
枝君が…。
彼女がいらいらしているときは下手に悪あがきせず…。
ごめんね。
と謝っておけばよい。
すると…。
とりあえず謝っとけばいいと思ってるでしょ。
こうなる。
べつにそういうわけじゃ…。
絶対そう。
私の話なんて全然ちゃんと聞いてくれない。
そうこんなときは黙って彼女のいらいらが収まるのを待つしかな〜い〜。
どこ行くの?ん?いやちょっと手洗いにね。
まだ話終わってない…。
すぐすぐ戻るよ。
長い間つきあっているとわかる。
ああいうときは一旦距離を取ってクールダウンさせるのが一番だ。
う〜ん。
そうすれば戻ったときには意外とけろっとしているものだ。
女は感情で動く生き物である。
我々と違い理屈が通用しない部分もある…ん?ん?あれ?ん?
(店内のBGM)「先に出ちゃってごめんなさい。
なんだか気持ちが冷めました」。
えっ?「私たちきっと別れた方がお互いのためだと思う」。
「さようなら今までありがとう」。
あっお客様!ごめんなさいすぐに戻ります。
プルルル…
(呼び出し音)プルルル…プルルル…
(標)閉めますよ〜。
はい。
どちらまで?あっ前のくる…タクシー追ってください。
はい。
何かあったんですか?えっ?いや前のくる…タクシー追ってくださいなんてなかなか言わないじゃないですか。
そうですね〜。
ドラマとか映画ぐらいなもんですよ。
前のくる…タクシー追ってくださいなんてせりふ。
事件とか?いやそういうわけではないですけど。
じゃあ何があったんですか〜。
差し障りなかったら聞かせてくださいよ。
そっか〜。
トイレ行ってる間に出てっちゃったんだ〜。
ええ全く理由がわからなくて。
そんなの簡単だよ。
メニュー選ぶのが遅いからでしょ?そんな理由ですか?そんなもんだよ。
そんなもんですか?そんなもんだよ。
なんなら彼女に直接聞いてみれば?そう思って電話したんですけど電話出ないんですよ。
あのもう少し飛ばしてもらえませんか?これ追いつけそうにないな〜。
えっ?いやさっき前のくる…タクシー追いかけてくださいって言われた時点で前のくる…タクシーなんていなかったもん。
そうなんですか?うん。
いや少し走れば見えてくるかなと思ったけど全然見えてこないんだもん前のくる…タクシー。
やめてもらえます?えっ?そのかんだやつそのまま言うやつ。
ははっごめんごめん。
それはそうとどうする?戻っちゃう?えっ?戻っちゃう?さっきのレストランに。
レストランって?あぁ〜とはいっても彼女が出ていく前のレストランね。
えっ?どういうことですか?じゃあ説明するね。
人生にはいくつもの分岐点があるんだけどそれはわかるよね?あぁはい。
どんな仕事に就くかどんな部屋に住むか何を注文しようか車と言おうかタクシーと言おうか。
そういった分岐点でどの選択肢を選ぶかによって人生は大きく変わるのよ。
このタクシーはお客さんがやり直したい分岐点まで戻してあげることができるタクシーなの。
戻るとは?細かい説明苦手だから後はそこのちらし読んで。
「選TAXI」?
(標)どうする?戻ってみる?あぁ〜。
(標)優柔不断だな〜。
いやべつにこれは優柔不断で悩んでいるわけではなくて急に時間を戻るとかいう非現実的なことを言われ…。
何だ?これ。
果たしてほんとに…。
そういうとこ。
えっ?彼女とより戻したいんでしょ?そりゃ戻したいですよ。
戻したいですけどもし仮に戻れたとしてもですよこんなのが。
ほんとにどうしたらいいんだと…。
そんなの簡単だよ。
男らしくすぱっとメニュー決めりゃいいんだよ。
女ってそういう細かいところで気持ちが冷めたりするもんだよ。
なるほど。
じゃあ行ってみよ!あっえっ?キュイーン!えっ…これ何の音ですか?あっこれ?タイムスリップ音。
タイムスリップ音?うん。
バックします。
(標)あっこれファイブなんだけど最新のシックスはこんな音もしないらしいよ。
キュイーン!バック…。
キュイーン!バックします。
はい到着〜。
えぇ〜ちょうど30分だから1万円でいいよ。
あのこれほんとにこれ戻ってるんですよね?自分で行って確かめてみてよ。
あっもしあれだったらお金そのあとでもいいよ。
俺ここで待ってるからさ。
あっはい。
行ったら多分まだ時間が止まってて自分の等身大パネルがあるからそっからスタートなんでよろしく。
等身大パネル?まあ行けばわかるよ。
あのさ。
えっ?実はね…ねえってば。
あっえっとえっとうんこれ。
デザートこれ!珍しい。
すぐ決めた。
そりゃそうだよ。
優柔不断じゃないんだから。
はははっ!前菜のときはあんなに悩んでたのに。
えっそうだった?すいません。
そうかな?助かった。
あっえっと〜レアチーズケーキ。
はい。
ところでさ今日はちょっと相談があってね。
何?私今の仕事辞めようかと思ってるの。
うんそうなんだ。
私花屋開くのが夢だって話したことあったでしょ?うん。
でね知り合いで最近お花屋さんオープンした人がいて一緒にやりませんか?って誘われたの。
ふ〜んそっか。
どう思う?もし新しいこと始めるんなら年齢的にもこれが最後のチャンスかなとも思うんだけど。
率直な意見を聞かせてほしいんだけど。
率直な意見?まずい。
早く意見を出さなければ。
しかしこれはデザートとは訳が違う。
いいんじゃないの?では許されない。
あんな物事をすぱっと決められる彼女がこんなにも悩んでいる。
だからこそここは男らしくばしっときめて株を上げたい!ねえどう思う?僕は反対だな。
えっどうして?う〜ん商売の世界はそんな甘いもんじゃないよ。
僕だって床屋十数年やってきて痛感してるからさ。
ほら商売に関しては僕のほうが先輩だから。
先輩としての率直な意見ね。
うん。
まあそもそも夢だからってさそんな長く勤めてきた会社を辞めるもんじゃないよ。
だから悩んでるの。
だったら答えは簡単。
そんなさ中途半端な気持ちでやるべきじゃないよ。
商売の先輩として言う。
びしっと言ってやった。
いつもは彼女の意見をただ聞いているだけだったが少々厳しくてもこれくらい男らしく言ってあげたほうが彼女のためだ。
ごめん。
ちょっと1人で考えたいから先に帰るね。
えっ?今日はごちそうさま。
あれ?どういうことだ〜?ちょっと厳しかったかな?だけど彼女もいい大人。
反対意見を言われたくらいですねたりはしないはず。
とにかく私は彼女の望みどおり商売の先輩として厳しくも愛のある意見をばしっと言えた。
これは大きな一歩だ。
(メールマナーモード)「先に出ちゃってごめんなさい。
さっきの話で色々ふっきれました」。
何で?「私枝くんとはやっていけないと思う。
だからさようなら」。
あっお客様!
(標)どうしたの?出ていかれました。
あっ!今の女の子?メニューも決めたし彼女の相談にもちゃんとばしっときめました。
それなのに…。
なるほど。
どうする?戻る?戻りたいですけど戻ったところでどうしたらよいやら。
よしここはひとつ女性の意見を聞いてみよう。
女性?
(標)ねえねえあの子新人さん?あっカンナちゃん?うん。
そうそう今週から。
ふ〜ん。
王手。
はい角が消えていきました。
…ということなんですよ。
なるほど。
どう思います?あっいや何かすいませんね初対面なのに…ふっ。
(カンナ)あっ彼女さんは枝分さんにとりあえず話を聞いてもらいたかったんじゃないですか?いや聞きましたよ。
その上でえぇ〜率直な意見を聞かせてほしいって言うからここはばしっと言わなきゃと思って。
いや商売の先輩としてはっきり意見を言ったんだよ。
そこですよ。
えっ?彼女さんはべつに商売の先輩として話を聞いてもらいたかったわけじゃないんですよ。
えっ?
(カンナ)きっと彼氏として背中を押してもらいたかったんですよ。
彼氏として?
(夏希)多分彼女さん相談といっても気持ちは決まってたと思うんですよ。
だけどやっぱり不安もあるから彼氏に応援してもらいたかったんですよ。
それなのに何か商売の先輩が出てきてごちゃごちゃ言いだすから嫌になっちゃったんじゃないですか。
優柔不断で自分じゃ何も決められないけどそのかわりに彼女さんが決めたことにはいつも文句も言わずに見守ってくれてる彼氏だって思ってたのに急にそんなこと言いだすからねぇ気持ちが冷めちゃったんですよ。
なるほど。
いかがですか?標氏。
う〜ん。
もう負けを認めては?う〜ん。
あの…。
あっ済んだ?はい。
じゃあ行こっか。
ちょっと負けを認めなさいよ!ちょっと標氏!キュイーン!バックします。
彼氏として応援ね。
でね知り合いで最近お花屋さんオープンした人がいて一緒にやりませんか?って誘われたの。
うんうんなるほどなるほど。
どう思う?もし新しいこと始めるんだったら年齢的にもこれが最後のチャンスかなとも思う…。
いいと思うよ。
ほんと?うん。
まあもちろん商売の世界はそんなに甘くないことは君だってよ〜くわかってると思うしだからこそ多分不安もあって僕に相談してくれたんだと思う。
ほんとにもしやりたいんだったら僕としては彼氏として君を応援するだけだよ。
ありがとう。
きまった〜!良かった〜。
何かほっとした。
そしたらさそのお店で働くまでちょっと休みになるんだけど枝君ってお休みある?えっ何で?多分お店がオープンしたらしばらくはまとまった休み取れなさそうだから。
ふ〜んなるほど。
それは合わせられるよ。
どっか行こっか?うんそうだね。
うん。
どこ行こう?枝君たまには決めてよ。
ここは早く決めなければせっかくのいい流れが台なしになる。
どっかないの?行きたい所。
まずいどこでもいい。
しかしこんなのは通用しない。
とりあえず無難に。
温泉は?箱根とか。
温泉ね…こないだも行ったしな〜。
おっとどうする?早く次を出さないと。
あっ沖縄とか。
あぁ〜沖縄ね。
これなかなかいいんじゃない?女の子って沖縄好きだし。
沖縄はもっと長期の休みのときに行こうよ。
そう来るか〜。
まずい引き出しが尽きた。
じゃあ…うん温泉でいいんじゃない?どうかこれで手を打っていただきたい!うちの実家来る?えっ?実家。
そういえば行く行くって言って結局行ってなかったから。
あぁ〜そうだね。
うちの親も会いたがってるしね。
あぁ〜。
まさかこのタイミングで実家が来るとは。
もちろんそのうち行かなければなぁとは思っていたけど急なタイミングで出てくると焦る。
急な実家はなかなかハードルが高いな〜。
そのうち行くけど今じゃない。
ここはひとまず…。
なるほど実家ね。
…的な空気を出しつつの。
う〜んまあそれはまたにしようよ。
今回じゃなくてもいい的なニュアンスで受け流す。
そっか。
またそのうち。
ねえ。
うん?将来のこととかどう考えてる?えっ?将来。
出た実家将来2連発。
う〜んまあそれは…うん。
こないださ理佐の結婚式に行ったとき当たり前だけど理佐すっごい幸せそうでさ。
いや私も今まで将来のこととかそこまで意識してなかったんだけどさ私もそんな年なんだなぁって思って。
え〜っととりあえず何か言わないと。
そっか。
何?そっかって。
えっ…えっ?何?そっか〜って。
あっ間違えた。
超ひと事じゃん。
そういうんじゃないよ。
じゃあ何?そっかって。
不用意なそっかを出してしまった〜!まずい!あっべつにこのそっかはそういうんじゃなくても…もっと何ていうかこうあっそういうことがあって…。
もういいよわかったよ。
いやべつに俺も将来のこととか考えてないわけじゃ…。
いいってば!ごめん先に帰る。
今日はごちそうさま。
「先に出ちゃってごめんなさい。
だけどさっきの話ではっきりとわかりました。
このまま一緒にいても先が見えません。
さようなら」。
…ということなんですよ。
わかります?わかります?なるほど。
(夏希)えっ?で枝分さんはどうなんですか?どう?とは?
(カンナ)結婚する気はあるんですか?いやまあそれはいつってはっきり決めてるわけじゃないですけど。
(カンナ)あぁ〜それじゃないですか?
(夏希)彼女さんおいくつですか?33歳。
あぁもうそれはそうなりますよ。
だからといってね今すぐに結婚っていうわけには…。
(夏希)あぁ多分それは彼女さんもわかってると思いますよ。
ただそれならそれで本当に将来的に結婚する気があるってことをお話して彼女さん安心させてあげないとそりゃ不安になりますよ。
そんなもんか。
(カンナ)そうですよ。
優柔不断でもそこは男としてちゃんとけじめをつけないとよろしく。
あっ…なるほど。
わかりましたプロポーズします。
(カンナ・夏希)えっ?まあいつかはと思っていたんですけど。
だらだらつきあっていた部分はあったんで。
まあいいきっかけになりました。
へぇ〜。
超熱い。
私も行っていいっすか?えっ?プロポーズに?
(カンナ)はい。
生で見たいっす。
いやはははっ…まあそれはちょっとごめんなさいははっ。
いかがですかな?迫田氏。
君の戦法は全て読め…。
あの…。
あっ済んだ?じゃあ終わりだはいノーゲーム。
あぁ〜!
(標)プロポーズするの?はい。
また思い切ったね。
へへっ何かいろいろやり直してみたんだけど結局全て彼女の将来への不安から来てるんだなと思いました。
なるほどね。
ええ将来を共有できれば全て解決する話だったんですよ。
何か枝さん見違えたね。
そうですか?
(標)うん。
さっきまでメニューも決めらんないような男だったのに。
まあこれはさすがに男がきめなきゃいけないと思うんでね。
よし!じゃあ気持ちが上がってるうちに急いで戻ろう。
はい。
バックします。
うわヤベッ!うわうわうわな…何ですか?あれ。
(標)取り締まりだね。
取り締まり?タイムスリップ関係の。
ピーッ!ピーッ!コンコンコン!
(タイム警官)ちょっといいかな?
(標)はい。
(警官)おたくだ〜いぶ飛ばしちゃったね。
そうですか?自分でわかってるでしょ。
タイム制限速度だいぶオーバーしてましたよ。
すいません。
(警官)お客さんごめんなさいね一応決まりなもんでね。
あぁはいはい。
(警官)えぇ〜標道雄。
30タイムオーバーでレッドタイム切符発動。
はい転送します。
(標)すいませんでした。
枝さんごめん!えっ?タイム免停になっちゃった。
タイム免停?タイム免停とはタイムマシン版の免許停止のこと。
自動車と同じでタイム免許が停止になるとタイム交通法の規定により90日間運転が禁止されます。
えっ…てことは戻れないっていうことですか?
(標)いやあの…ほんと申し訳ない!せっかくプロポーズするって決意したのに。
あっもちろん3カ月たったら復活するから。
3カ月?うん。
てことは3カ月別れたまんまってことですか?でもそのあと戻ってもほら問題ないからさ。
そんなこと言われたって。
ほんとごめん!そのかわり料金はこっちで持つから。
だから3カ月だけ待って。
はい。
(標)で相談なんだけどさ。
何ですか?あのさ選TAXIっていろいろめんどくさくてね3カ月運転しないとタイム営業停止になっちゃうの。
それってまずいからさタイム免停解けるまで代わりにやってくんない?ん?何を?運転手。
はっ?僕が?お願〜い。
その間に稼いだ分は全部枝さんの収入だから。
その前に僕なんかが勝手にやって大丈夫なんですか?うん。
タイム書類に記入して印鑑押して後タイム二種免許のちょっとした講習受ければOK。
そんな感じなんですね。
一生のお願い!えぇ〜。
で電源入れると下もつくから。
うん。
で上が現在の時刻で下が戻りたい時刻。
はぁ〜なるほど。
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」見たことある?あっいえ。
どちらまでお戻りになられますか?どちらまでお戻りになりますか?
(標)お戻りになられますか?丁寧に。
はい。
どちらまでお戻りになられますか?どんな仕事に就くか。
どんな部屋に住むか。
夜は何を食べようか。
怒っている彼女に何て言おうか。
ありがとうございます。
どうぞすてきな選択肢を。
あめなめます?あめなめます?
(標)いいね〜似合ってる似合ってる。
ありがとうございます。
こうして私のすてきな3カ月がスタートした。
(夏希)標さんいらっしゃいませ。
いらっしゃ〜い。
あぁ〜どうもどうも。
ふぅ〜。
(標)枝さん。
はい。
3カ月間お疲れさまでした。
ん?タイム免停解けたよ。
あぁそっか。
(標)ねえどうだった?この3カ月。
う〜ん。
楽しかったですよ。
(標)でしょ?ええ。
いろんな人たちとの出会いもあっていい経験もできましたしね。
そりゃ良かった。
じゃあ枝さんはこれから戻ってプロポーズするのか〜。
はい。
そっかそっか。
はぁ〜いいな結婚か〜。
俺も誰か相手いないかな〜。
あぁちょっと標さんとめてとめて。
あぁ〜はいはい…はい。
何?いやちょっと…。
すいません。
戻らなくてもう大丈夫です。
(標)えっ何で?まあちょっと…。
(標)もしかして…彼女?はい。
このままで大丈夫です。
いいの?はい出してください。
(標)ほんとにいいの?はい。
彼女の3カ月をゼロにはできませんから。
わかった。
枝さん海でも行こっか。
えっ?せっかくだからあいつらも誘おうっと。
もう標さんみんな行かないならChoiceでコーヒー飲んでたほうが良かったんじゃないですか?
(標)みんなで海までドライブへ行こう〜!
(夏希)あっ大丈夫です。
(標)えっ?お店あるし。
寒いし。
いいや行く!絶対行く!意地でも海行く!そうですか?それはそうと前から気になってたんですけどChoiceのみんなって乗客としてこのタクシーを利用したことってなかったんですか?ないよ。
へぇ〜。
だって信じないんだもん。
信じない?戻れるっていくら説明しても漫画じゃないんだからって笑われて終了。
胸くそ悪いからもう言わないの。
じゃああの人たちにとって僕らは?普通のタクシー運転手。
ふ〜ん。
ははははっ。
えっ?ピッピー!あれ?
(警官)標さんねほんといいかげんにしてくださいよ。
(標)はいすいません。
はいじゃあもういいよ。
はい。
では。
枝さんごめん!はい?またやらかしちゃった〜。
今度は何ですか?タイムスピード違反とタイム表示ミス。
私用と戻車間違えちゃった。
うわ〜。
枝さん悪いんだけどさもう3カ月延長で!えぇ〜もう〜。
ちっしかたないな〜。
えっ何?ちょっとうれしそうじゃん?そんなことないですよ。
・「あたしの向こう」どうでした?「素敵な選TAXI」。
楽しかった?私もです。
ご覧のとおり人生は分岐点の連続です。
もしあなたがこの先選択を間違え…。
あぁ〜もう最後きめられなかったな〜。
今のやり直したい。
(真奈美)哲平。
哲平。
哲平。
哲平。
哲平しっかりして。
(ナース)お待ちください。
2016/04/05(火) 14:50〜15:50
関西テレビ1
[終]素敵な選TAXI #10[再][字][デ]【さよなら枝分、彼がえらんだ最も素敵な選択肢】
「運転手引退!!さよなら枝分、彼がえらんだ最も素敵な選択肢」
竹野内豊 バカリズム
詳細情報
番組内容
枝分(竹野内豊)が選TAXIの運転手を引退する事態が発生!?謎に包まれた運転手の知られざる過去が、ついに明らかになる!はたして枝分が最後に選ぶ選択肢とは?
「枝さん、3ヶ月間、お疲れ様でした」。カフェ『choice』でいつものようにメニューを迷っていた枝分は、店にやってきた標(升毅)に声をかけられる。それを聞き、「え?…あ、そっか」と何かに気付く枝分。
番組内容2
過去の分岐点へ戻り、人生をやり直すことができる不思議な乗り物“選TAXI”。その運転手として、これまで様々な事情を抱えた客を乗せ、少々お節介ながらも彼らの人生を応援してきた枝分。なぜ枝分は選TAXIの運転手をやめなければならないのか?標の言葉の意味とは?そもそもどうして枝分は選TAXIの運転手になったのか?
番組内容3
驚きの真実が次々と明らかになるなか、はたして枝分はどんな分岐点に立ち、どんな選択を最後にするのか、その結末はまさに予測不可能!さよなら枝分さん!
やはり、人生は選択肢の連続だ!
出演者
竹野内豊
/
奥田恵梨華
/
バカリズム
南沢奈央
清野菜名
升毅
スタッフ
【脚本】
バカリズム
【音楽】
本間勇輔
【主題歌】
aiko「あたしの向こう」
【演出】
筧昌也
星野和成
ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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