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【芸能・社会】

萬斎VS猿之助、初競演で対決 来年公開の映画「花戦さ」

2016年4月6日 紙面から

(右)主人公の池坊専好を演じる野村萬斎(左)池坊専好と“対決”する豊臣秀吉役の市川猿之助

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 狂言師の野村萬斎(50)と歌舞伎俳優の市川猿之助(40)が華道をテーマにした映画「花戦さ」(篠原哲雄監督、来年公開)で、初共演し“対決”する。主演の萬斎は花を生けることで戦乱に生きる人々の心を救う花僧・池坊専好、猿之助は時の権力者・豊臣秀吉を演じる。狂言と歌舞伎のスーパースター2人が花の世界を舞台に激しく火花を散らす。

 鬼塚忠さんの小説「花いくさ」が原作。生け花の名手である専好は秀吉に仕えていた茶人、千利休と心を通わせる友人だったが、利休は秀吉によって自害させられる。さらに秀吉は罪のない町の人たちの命を奪うようになり、専好が立ち上がる。専好は刃(やいば)ではなく、花をもって秀吉と対決し戒めるため“花戦さ”を仕掛ける。

 製作には「池坊華道会」が全面協力し、約150作の生け花が登場。専好と秀吉が対決するクライマックスシーンでは、専好が生けた幅約7メートル、高さ約3メートル50の超大作生け花も再現する。

 狂言と歌舞伎で抜群の知名度を誇る萬斎と猿之助だが、近年は俳優としての活躍も目覚ましい。萬斎はNHK連続テレビ小説「あぐり」(1997年)に出演。映画では「陰陽師」シリーズ(2001、03年)や「のぼうの城」(12年)のほか、今月29日公開の「スキャナー 記憶のカケラをよむ男」で主演を務めた。猿之助はNHK大河ドラマ「風林火山」(07年)や「龍馬伝」(10年)に出演。「天地明察」(12年)「超高速!参勤交代」(14年)など多数の映画出演を誇る。

 撮影は10日にクランクイン、5月20日まで続く。京都市内の撮影所のほか、大覚寺や二条城、西本願寺など名所でロケを行う。萬斎は撮影に向けて華道の専門家の指導を受け、はさみに慣れるため「マイはさみ」もプレゼントされた。萬斎は「池坊専好は戦乱の時代の中で、花で世に語りかけ、花とともに生きた人。命あるものにさらなる命を吹き込む、ピュアな存在として演じたい」と意気込む。

 萬斎と猿之助の演技について製作側は「劇中に狂言や歌舞伎の所作が出てもいいのでは」と日本の伝統芸能の化学反応に期待している。

◆共演陣も豪華!!

 萬斎と猿之助のほか、共演陣には映画界を代表する俳優が顔をそろえた。織田信長役に中井貴一(54)、前田利家役に佐々木蔵之介(48)、千利休を佐藤浩市(55)が演じる。

 重厚な布陣に製作側は「来年の映画賞を独占してもおかしくない」と自信を見せている。

 

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