【ワシントン=川合智之】米大統領選の民主、共和両党の候補者選びは5日、中西部ウィスコンシン州で予備選を開き、2番手の共和党の保守強硬派テッド・クルーズ上院議員(45)と、民主党バーニー・サンダース上院議員(74)がそれぞれ勝利を確実にした。複数の米メディアが報じた。11月の大統領選本選に向け、行方は再び混戦模様となってきた。
共和で首位を走る不動産王ドナルド・トランプ氏(69)は敗れた。トランプ氏は3月30日の米テレビ番組で、妊娠中絶した女性に「何らかの処罰がなくてはならない」と発言。強い批判を浴びて撤回したが、女性票の離反を招いた可能性がある。
米CNNテレビによると、今回までに獲得した代議員はトランプ氏が743人、クルーズ氏が507人。7月の党全国大会までに過半数の1237人を得られるかどうかが焦点だ。ともに過半数を獲得できなければ、これまでの予備選の結果に縛られない決選投票にもつれこむ可能性がある。
民主では、サンダース氏が今回のウィスコンシン州も含め直近の7州で6勝を挙げて波に乗る。首位のヒラリー・クリントン前米国務長官(68)は足踏みが続いているが、特別代議員を含む獲得代議員数ではクリントン氏が1773人、サンダース氏が1094人で、依然として差は大きい。
クルーズ氏やサンダース氏が指名獲得に望みをつなぐには、19日のニューヨーク州や26日の5州集中日など大票田での戦いで勢いを加速できるかどうかが焦点となる。