自作 蒸留器精密な温度管理の出来る蒸留器最終更新日 H24.2.14 H21.12.3 アルコールの蒸留装置を作った。 お酒のアルコールの濃度を高めれば美味しくなるのでは・・・と考え蒸留器を作った。 市販の酒のアルコールの濃度は、なにやら決まりがあるらしく 極端に濃いお酒はあまり見かけない。 たとえば焼酎甲類 風味や個性がないただのエチルアルコール、これでさえ 35度以上の物はあまり見かけないが気がするけど 気のせいか? 35度以上の美味しい酒は無いか? あれこれ探すのも楽しいがそれも面倒。 自分で作っちまえ・・・と蒸留器を作りました。 お酒には酒税法の規制が有るが、 個人で行う趣味の蒸留には 規制などないはず。 お金を出して買った紙巻きタバコを 趣味でまき直して吸ったから と云って、罰せられる事はあるまい。 同様に蒸留する原料のお酒は すでに税を納めているし・・・ たぶん問題は無いはず。 写真のグラスと透明のビニールホースは蒸留の為の物 ビニールホースは水道に接続し冷却水を流す グラスは冷却管で蒸留されたアルコールを受けます。 蒸留器の構造の説明 左の写真は蒸留装置の本体です。 蒸留は飲食に関わるため装置全体を ステンレス (SUS304) で作りました。 @ アルコール原料の出入口 (原料は日本酒、ワイン、ビールなどを想定) A アルコール蒸発分離槽 (アルコールの原料は AとBに入ります) B 蒸留加熱槽 (加熱槽の電気ヒーターがアルコール原料を加熱します) C 加熱温度センサー挿入口 (電子サーモがエチルアルコールの沸点78度を管理します) D 蒸留加熱用電気ヒーター 100ボルト 1キロワット 拡大写真 (自分の行ったアルゴン溶接にホレボレする・・・これだけでもHPを作って良かった。) 何が良いかって! 溶接ビート 樹が年輪を重ねたような美しい波紋にホレボレ オット。今は溶接は関係ない。蒸留器の話に軌道修正 C 穴から温度センサーを加熱槽に挿入し精密な電子サーモで 温度管理します。また C は本体から分離できます。 25ミリの管用のネジで本体から分離でき、本体共々 洗浄が可能で衛生的に装置が管理出来ます。 D 電気ヒーターの部分も C 同様 管用のネジで 本体から脱着できます。 蒸留器本体を底板に固定し 箱取付用の下枠を付ける 拡大写真 箱(ケーシング)を取り付けた写真 箱など機械の機能にとってはあまり意味が無いのだが、 工作した品にとっては、ケーシングは大いなる意味があります。 ビジュアルを軽んじてはいけない。 工作した品をきれいに包むケーシングに興味の有る方は 自作 ベンダー の項目を参照してください。 箱の制作は金属板を折り曲げるベンダーが有れば便利です。 工作の好きな方は一度 挑戦してみて下さい。 写真 箱の上部に突き出た部分がアルコール原酒の挿入口であり また 蒸留されたアルコール蒸気出口の兼用になります。 兼用の出入口にする為には簡単に脱着が出来ないといけない。 そのため水道部品を活用しました。 写真 何処かで見覚えは有りませんか?水道のジャバラの配管です。 アルコール原酒及びアルコール蒸気の兼用出口に使用します ネジの径は13ミリにしました。 13ミリだと径が細く原酒を入れるのにヤヤ不便だが アルコール蒸気の凝縮器には都合の良いサイズです。 凝縮器にはルームエアコンに使う銅配管を使った。 エアコン用の配管は大型ホームセンターで入手出来ます。 銅管だと熱伝導がよくその上 ロウ付け溶接が簡単に出来ます。 業界では「ニブサンブ管」と呼ばれる その配管を使って凝縮器を作りました。 下 蒸留装置の冷却器の略図と写真です。 外径9ミリの透明ビニールホースと水道につながる青いホースが見える。 下の写真は電子サーモーとリレーを取付たところです。 電子サーモの温度は0℃〜100℃間で自由に設定が出来ます。 on off のデファレンシャルは0.5℃ ですから細かい制御が出来ます。 アルコールの蒸留温度がデジタルでつかめるようにしました。 テスト運転では、加熱槽の温度設定はoff 71度 on 69度で行いました。 完成品ケーシングと気液熱交換器(コンデンサ)を取付た。ノズルには、透明な細いビニールホースが取付られ 水道栓から冷水を供給します。下最右の写真で水道用の青いホースが確認できますか?一般の水道ホースです。 水道用のホースと太さの違う透明なビニールホースは異径ソケットを使って接続します。 蒸留器の蒸発槽で気化したアルコールは気液熱交換器で水道水に冷やされ凝縮します。 装置が完成し市販のワインを蒸留をしてみた。 蒸留に要する時間はワイン1リットルで30分ほどかかりました。 蒸留に電気ヒーターを使うと温度制御が的確にでき時間は早い。 蒸留は問題もなく出来たがワインの香りも蒸留されてしまった。 匂い成分はアルコールの蒸発温度と近いらしくちょっと問題発生 蒸留は香りの事もあり熟練に多少時間がかかりそうだ。もっとも、趣味の世界なら香りの事は 多少甘めに考えていいだろうが、匂いの好みは人それぞれ、万人が旨いと感じる酒、万人が良いと 感じる香りは早々易々とたどり付けない。蒸留ついて・・・この先 時間がかかるかもしれない。 万人が旨いと思う酒を造る酒造メーカー 零細メーカーと言えどその実力恐るべし。 甲種焼酎の蒸留については元々匂いが無いため 簡単に無水アルコールらしき物は作れた。 アルコール濃度100% で飲んでみようと口を 近づけたらアルコールにむせ結局、水割りにして 飲んだため報告するような目新しさは無かった。 ・・・・現在までの途中経過 苦労して得た結論 甲種焼酎は20度以下にお湯で割って飲むのだ一番おいしい。水でも良いが100% はダメだ。 今後、蒸留について追求しようかと考えております。その都度結果は本ページでアップします。 でも (まァ 気が乗ったらの話だけど) H21.10.18 後記 H21.10.24 正直に言うと蒸留作業はあまり楽しい物ではない。 ワインや日本酒の蒸留過程で試飲する物は飲んで美味しいが、 その酒、かつて経験した事のない酒だ。 蒸留過程で出来る酒は、原酒の特徴が残りアルコール濃度だけが異常に高くなる。 アルコール濃度の高いワインや日本酒。元来お酒の好きな私にとって、それはすごく美味しいのだが、 アルコール濃度の高いワインや日本酒は強烈な味であり強烈な酔いがある。 すごく悪酔いする酒だ。 加えて、蒸留後に残った強烈に甘いアルコール分のない液体。あれは何だ。異常な甘さだ。 蒸留過程でちょっぴりなめる、アルコール分の無いワインや日本酒あれも悪酔いする原因だ。 index へ Copyright (C) 2009 tsuruoka team. All Rights Reserved |