2016.04.06 10:00
「日本におけるティーンのユーザー行動」(The User Behavior of Teens in Japan)と題して、SXSW 2016 JAPAN HOUSEで講演を行った吉田優華子さん。現在はドリコムで二つの新サービスを開発しながら、ミュージックプレイヤー「DropMusic」のディレクターを務める。新卒二年目で子会社の社長になったユニークなキャリア、SXSWで感じたティーンの最新トレンド、そして今後目指すキャリアの道程について話を伺った。
吉田優華子さんは2013年新卒でドリコムに入社し、二年目には子会社「Ignom」の社長に就任、800万ダウンロードを記録した音楽ストリーミングアプリ「DropMusic」の運用を開始。現在は新規サービスを複数開発中だ。(そのうちの一つ、物々交換ができるアプリ「Clip」のβ版が今年2月にローンチされた。)
吉田優華子:福岡県出身。25歳。よく使うアプリはInstagram、musical.ly、Tinder、Snapchat
先月テキサスにて行われた音楽・映画・インタラクティブの祭典「SXSW 2016」のJAPAN HOUSEでは、「日本のティーンのユーザー行動」に関する講演を行った。今回でSXSWへの参加が二回目だという彼女に、アメリカで感じたティーンの最新トレンドから話を伺っていく。
SXSW 2016では日本におけるティーンのユーザー行動のうち、以下3つのユニークな特徴を挙げながら講演を行った。①ティーンの間ではGoogleやYahoo!といった検索エンジンではなく、TwitterやInstagramを通じて検索を行うことが主流になってきている。②平均で3〜4つのTwitterアカウントを併用し、親友や恋人など対象ごとに使い分ける人が多い。③スマートフォンがポータブルなTVとして用いられている。
日本のティーンの間で人気のあるアプリとして「MixChannel(ミックスチャンネル)」と「TwitCasting(ツイキャス)」を取り上げた。
新卒から二年目にはドリコム子会社「Ignom」の社長に就任した経験を持つ彼女。実は18歳の大学1年生時にも一度起業をしたが、本人曰く「まったく上手くいかずに失敗してしまった」のだという。こうしたチャレンジ精神の端緒は、小学校を卒業してすぐニュージーランドに渡った10年以上前に遡る。
大分県の自然豊かな村でウェスタンスタイルの乗馬を行う吉田さん(写真右)
写真はニュージーランドから帰国し、乗馬に明け暮れていた15歳のとき。
冒頭でSXSW参加中、現地人とコミュニケーションを取るためにTinderを使っていたというフットワークの軽さに触れたが、彼女にとっては珍しいことではないのだとか。日本においても普段よりティーンから生の情報を得るため、渋谷や原宿に出かけて行っては声をかけユーザーインタビューを行っているという。
飲むのは得意じゃないが、クラブでは音楽を心臓でドクドクと聞くのが大好きなのだとか。
「若い人の考えや行動にしか興味がない」と言い切る吉田優華子さんは、日本でもアメリカでもティーン達がいるコミュニティの中に自ら飛び込んでいく。実際のコミュニケーションを通じて得られたインサイトを元に、サービス開発を行う彼女が"アメリカンドリーム"を成功させる日はいつになるだろうか。
なお、4月10日にはSXSWでの石黒浩教授に密着した「アメリカ【SXSW】リポート II マツコロイド開発者・石黒浩の挑戦」を放送予定だ。
SENSORS Senior Editor
1990年生まれ。『SENSORS』や『WIRED.jp』などで編集者/ライター。『PLANETS』では構成を行う。これまで『週刊プレイボーイ』『GQ JAPAN』WEBなどで執筆。東京大学大学院学際情報学府にてメディア論を研究。最近は「人工知能」にアンテナを張っています。将来の夢は馬主になることです。
Twitter:@_ryh