はっけんの水曜日
2016年4月6日
このSF感たるや!
倒的に胸に迫るものがある。しからばこんな原画はどうだろう。あの目黒寄生虫館で長い間眠っていた、稀代の寄生虫学者の論文原画。その精緻な美しさに息を飲んだ。
※写真や標本はほとんど出てきませんがなにぶん寄生虫の話ですので苦手な方はご注意ください。でも、いいんですよ(しみじみ)。 > 個人サイト バレンチノ・エスノグラフィー 突然コネクション「叔父が目黒寄生虫館の館長になったけど、どうする?」数年前、友人にかけられた言葉。どうするじゃないよ、なんだそれは。シンデレラストーリーなのか。
まあ、企画展こまめにチェックするほどファンなんですけど。(2009年、ロイコクロリジウムの特別展示)
そして先日、ついに訪問の機会を得た。またとないマニアックなテーマで。
「とある高名な寄生虫学者の論文に使われた寄生虫の原画を展示用に整理しているから見にこないか」というものである。 いざ目黒寄生虫館へ!
充実のグッズ達!※グッズは撮影禁止です。特別に許可を取って撮影しています。
迎えてくれたのは目黒寄生虫館5代目館長、小川和夫さん。
東京大学の名誉教授にして農学博士、魚類寄生虫学の専門家である。 そして私の友人の叔父様でもある。
寄生虫の原画といっても一体どういうものなのか。百聞は一見にしかず。まずは見てみよう。
さっそく鑑賞。中央は研究員で獣医学博士の巌城さん。
ここまでやるのかの緻密さこれは!なんかすごい!
寄生虫の論文だから寄生虫の絵である事はわかる。それにしても恐ろしいほど緻密に組織や器官が描き込まれている。
写真や標本のようなある種のグロテスクさはない。
かっちり描き込まれたディテールに思わず見入ってしまう。
なんかもうシュールレアリスム。
それぞれの絵には学名、大きさなどのデータが添えられている。
対象をただ正確に記録するための均一で冷静な筆致は、全体と細部に息のつまるような緊張感をもたらしている。ええと、要するにかっこいい。やばい。
「これは展示室でも紹介している山口 左仲(やまぐち さちゅう)博士の論文に使われた絵です。1934年の論文ですから今から80年以上前に描かれたものですね」 館内パネルより。厚ぼったい丸メガネが知性を感じさせる。実際かなりの近眼だったらしい。
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