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ワールドインポートツールズ 「スタッフ ブログコーナー」へようこそ!!

このコーナーは、個性豊かで一癖も二癖もある?ワールドインポートツールズスタッフが毎日1人ずつ登場し、好き勝手に”フランク”にお話させて頂くコーナーです♪工具の最新情報はもちろん、工具にまつわる“ギリギリの裏話?”や、果ては全く関係の無い個人的なプライベートなお話(ちょっと恥かしい。。。笑)までと豆知識有り、笑い有り?で幅広くご紹介させて頂きますので、是非楽しんで読んでやって下さい。。。 ブログをお読み頂いて、ご質問、ご意見などがございましたら、どしどしお問い合わせ下さい!皆様のご来店・お問い合わせをスタッフ一同心よりお待ちしております(^^)/


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ツールショーリポート

2015年02月19日

雌ネジを損傷した時のお助けアイテム、「リコイルシステム」のご紹介!



こんにちは! 板橋本店の小澤です。

最近私がハマっているのがこちら、ファミリーマートの「フルーツカスタードまん」!!

中華まんの生地に甘いカスタードクリームとほんの少し酸味の効いたフルーツがアクセントになったホットスイーツです、、、

温かいスイーツというと鯛焼きや今川焼き(大判焼き)位しか思い浮かびませんが、甘いもの好きな私としてはこの寒い時期に、身近なところで温かいスイーツにありつけるのが嬉しい限りです。

心温まる一品です!! (* ^ー゚)ノ


さて、本日は損傷してしまった雌ネジを再生・補強する“お助けアイテム”、「Recoil(リコイル)」をご紹介させて頂きます。


非常に有名なツールなので、既に知っている方も多いと思いますが、損傷した雌ネジの穴をドリルとタップで加工した後、インサートと呼ばれるコイルを挿入し、元々のサイズと同じ大きさの雌ネジを作ってしまうという画期的なアイテムです。

勿論、元々あったネジ穴の再生だけでなく、何もなかったところに新たなネジ穴を作る事も可能です。

現在、同じ様な構造の商品(ヘリコイル、ヘリサート、スプリューなど)がありますが、当初考案した
ヘリコイルの特許は既に切れており、構造・材質など、同一な為互換性があると考えて良いかと
思います。

現在では、鉄道車両や航空機などにも使用されており、無くてはならない存在となっています。

自動車関連では、雌ネジ側の素材が軟らかいプラグやオイルパンで、トルクの掛け過ぎによる損傷が代表例となりますが、そんな場合でもとても重宝するツールです。



こちらが代表的なリコイルのトレードシリーズキットで、下穴用ドリル、タップ、インサート、挿入工具(タップハンドル兼用)、折取工具がセットになっており、後は電動乃至は空圧ドリルがあれば直ぐに作業に取り掛かれます。

尚、入組内容は、キットの種類やネジサイズによっても異なります。
ドリルやタップハンドルが付属していないキットもありますので、ご購入の際には入組内容を必ずご確認下さい。



リコイルのインサートは、断面が菱形の高品質ステ ンレスワイヤーをスプリング状に巻いて造られたものです。通常は304系ステンレスで製造されていますが、特殊用途向けとして様々な材質が使用される場合があります。

挿入前のインサートは母材のネジ穴よりも一回り大きく作られており、軽く絞り込まれながら挿入されます。 (インサートは母材内部で伸縮し、寸法 が調整されます)
挿入後はバネ作用が働き半永久的に抜けません

一般的なソリッドタイプのインサートのように、保持力を得るためのロック加工やスエッジ加工もしくはピンで固定したりする作業が必要なく、又、応力が母材の一点に集中する事無く全体に分配される為、より広い範囲で保持力を発揮し、元のネジより締結力がUPします


尚、ネジ山にはめ込まれた状態のインサートの長さはD(ダイヤ)という単位で表わされますが、一般的なセットに入っているのは1.5Dです。

「D(ダイヤ)」とは、ネジ径の何倍の長さか、を表わす数値で、例えばネジ径がM10、長さが1.5Dの場合、実際の長さは10(mm)×1.5=15(mm)となります。

インサート自体は単品(5~10個で1袋)でも販売しておりますが、1D、1.5D、2D、2.5D、3Dの各サイズがラインナップされています。



元のネジより締結力がUPする、と記載しましたが、実はリコイルは雌ネジの再生だけでなく、元のネジより強度を上げる事が可能なのです。

上図はリコイルインサートが従来のネジ山に及ぼす効果を示しています。
インサート装着前には、最初の3山に負荷の75%以上がかかっていますが、リコイル装着時には剪断荷重を全体に分散させているのが見て取れます。
この作用により、元のネジ山より強いネジ山が生まれます。

つまり、マグネシウム合金やアルミニウム合金の様な強度の低い母材に対しても、リコイルを装着すればより強度の高いボルトを使用する事が出来ますので、ボルトサイズを小さくし、部品の軽量化を図る事も可能となるのです。



何故この様に強度UPが図れるかと言うと、リコイルの素材自体の強度や高精度に保たれた断面形状もさる事ながら、インサートのバネ作用が働く事で、通常のネジに起こり易いわずかな角度誤差やピッチ誤差を修正する効果があるからです。

これにより接触面積が増え、ネジ山に掛かる負荷が分散されるのです。




このリコイルを使用するにあたり、難しそうなイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、多少DIYの知識を持っている方ならば、プロの方では無くともスムーズに修復が可能です。

ここからは使用方法を解説させて頂きます。



当然ではありますが、まずはネジ径とネジピッチを確認します。

ネジにはメトリックだけでなく、インチ規格のネジなども有り、思いのほか見ただけではサイズが判り難いですので、ピッチゲージを使用し、しっかりとサイズを確認して下さい。



ここから作業開始です。

まずはドリルで損傷ネジ部を取り除いて下さい。

尚、キットにドリル刃が付属していない場合は、キットに表示されたサイズのものを用意して下さい。

もし異なるサイズのドリル刃を使用してしまうと本来の締結力を発揮できません。
最悪の場合インサートが緩んで抜けてしまう事にもなりかねませんので、注意が必要です。

尚、後述するパイロットタップの場合は下穴加工は不要となります。



ドリルで広げた穴にタップを立てます。

タップを立てた後は切り粉・ゴミ等をエアーで完全に取り除いて下さい。
(エンジン内部などに切粉を落とさない為の工夫として、タップに粘度のあるグリスを塗って作業を行なう方法もあります)

尚、タップにはノーマルのタップとパイロットタップと呼ばれる段付きタップ(右写真上)があります。

パイロットタップは元々ある貫通したネジ穴に対して使用するタップで、ドリルによる下穴加工を省略出来る便利なモデルです。
スパークプラグやオイルドレンプラグのネジ穴補正に最適です。



尚、前述したトレードシリーズのM12以下のサイズに入っているインサートの挿入工具には、タップハンドルの機能も備わっています。

グリップ部分にスクエア(四角)が切ってありますので、そこにタップを差し込めば、別にタップハンドルを用意する必要がありません。

パイロットタップ付きリコイルキットなど、トレードシリーズ以外のキットにはこの機能は付いていませんのでご注意下さい。




続いて、インサートの長さに応じて挿入工具のカラーの位置を調整します。



カラーの位置は上図を参考にして下さい。



そして、いよいよインサートコイルを挿入します。

タングを下穴の底の方向に向けて挿入工具先端の溝に挟み、1/4~1/2回転までは下方向に軽く抑えながら回します。
挿入深さは最終コイルがタップ開始部分より1/2~3/4ピッチ沈む程度が適当です。




最後にタング(インサートのエンドにある90°曲がった部分)の折り取りを行ないます。

キットによっては折取工具が付属する場合がありますが、折取工具の先端をタングに接触させた状態で、鋭く叩いて下さい。

尚、付属する折取工具の先端にはマグネットが付いている為、折ったタングを落とさずにキャッチしてくれます。

折取工具が付属していない大きめのサイズのリコイルキットの場合には、挿入工具が折取工具と兼用になっています。その場合は、右上の図の様に挿入工具を90°回転させ、タングと挿入工具の溝がクロスする様にした状態で叩きます。

※タングはネジ切らず、必ず叩き折って下さい。


これで作業は完了です!!


長くなってしまいましたが、本日も最後までご覧頂きまして誠にありがとうございます。

もし雌ネジの破損でお困りの際は、お気軽にご相談下さい!!\(o⌒∇⌒o)/

板橋本店の小澤がお送り致しました。