大阪市の橋下徹市長は29日の記者会見で、市の審議会の答申で「事業化は厳しい」とされた市営地下鉄4路線の新設や延伸計画について、市議会野党の反対で民営化が実現しない場合には計画路線から外すよう、国に求める考えを明らかにした。
市長は「(市営のままなら)4路線の計画は維持できない」と強調した。ただ、審議会は答申で、採算性や費用対効果の面から「公営・民営にかかわらず極めて厳しい」と指摘している。
地下鉄民営化を推進する橋下市長は2013年2月に関連条例案を市議会に提案済みだが、市長に反発する野党会派が過半数を占める市議会では継続審議のままだ。
市長は「(4路線の)計画を残せというのは市議会の有権者対策」と指摘。国の来年度の近畿地方交通審議会で計画路線に盛り込まないよう求める考えを示した。一方「民営化すれば財源確保の可能性がある」と、民営化を前提に計画を残す意向を示した。
また市は同日、政府が実施した国家戦略特区の提案募集で、地下鉄などの民営化時に一時的に税金を減免する立法措置などを提案した。