2016年4月6日05時24分
元航空幕僚長・田母神俊雄氏(67)の資金管理団体で多額の政治資金が使途不明になっている問題で、2年前の東京都知事選で田母神氏を支援した3人が朝日新聞の取材に対し、「選挙後に陣営から金を受け取った」と証言した。運動員とみなされれば、田母神氏の陣営側による公職選挙法違反(買収)にあたる可能性があり、東京地検特捜部が実態解明を進めている。
一方、田母神氏は取材に「事務局長から『選挙の慰労として計2千万円を配りたい』と相談を受け、リストをみせられた」と説明。当時は法に触れるという認識はなかったという。事務局長が200万円、選対本部員が200万円、会計責任者が50万円をそれぞれ受け取ったことは知っているが、他の支援者の受領は「覚えていない」と話している。
田母神氏は2014年2月の都知事選に立候補し、約61万票を集めたが落選した。取材に対して金の受領を証言したのは、選挙中に運転手や電話番などをした男性3人で、同年1月から2月の投開票日まで選挙を手伝ったという。
3人は選挙後の14年3月から5月にかけて、陣営からそれぞれ20万~30万円を手渡しや口座への振り込みで受け取ったという。公選法は、事前に選挙管理委員会に届け出た運動員に対して一定の報酬を支払うことを認めているが、3人は届け出がなかった。
陣営幹部から手渡しで20万円を受け取ったという男性は「選挙を頑張った人に渡していると説明された」と証言。別の男性は田母神氏の資金管理団体から15万円ずつ2回にわけて振り込まれたといい、「選挙を手伝ったことなどに対する謝礼だと思った」という。20万円が振り込まれた男性は「届け出がされた事務員として日当をもらったと思っていた」と述べた。
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞社会部
PR比べてお得!