辞任へ…「慰安婦合意、役割終えた」
駐日韓国大使の柳興洙(ユ・フンス)氏(78)は5月にも大使を辞任する意向を固め、韓国政府関係筋に伝えていることが5日、分かった。毎日新聞の電話取材に「昨年12月に慰安婦問題の解決に向けた日韓政府合意が実現し、暗いトンネルを抜けた。高齢でもあり、私の役割はここまでだ」と認めた。3月中旬にソウルで開かれた在外公館長会議に出席した際、韓国政府幹部に辞意を伝えたという。後任は未定。
懸案だった安倍晋三首相と朴槿恵(パク・クネ)大統領との初の日韓首脳会談の実現や慰安婦問題を巡る日韓合意を受け、年明けに辞意を固めたという。柳大使は、来年12月に韓国大統領選が控えていることにも触れ、「新大統領就任後は大使が交代するのが慣例なので、私が早く辞めなければ次期大使の任期が短くなる」と後任大使の任期を考慮したことも理由の一つだと明らかにした。柳大使は、日韓首脳外交が中断していた2014年8月、駐日大使に就任した。【鈴木琢磨】