国際石油開発帝石は4日、インドネシアで開発中の大型海底ガス田について、同国政府から見直しを求める通知が届いたと発表した。液化天然ガス(LNG)の製造基地を洋上から陸上に変更するよう求めている。国際石開帝石は近く政府と協議を始めるが、計画変更は巨額の負担増につながりかねないため、国際石開帝石は対応に苦慮している。
インドネシア政府が計画変更を求めたのは、同国東部沖にある「マセラ鉱区」のアバディLNGプロジェクト。国際石開帝石が65%の権益を保有し、操業主体を務める予定だった。洋上に建設する大型船で年750万トンのLNGを生産し日本などに出荷する。総工費は約150億ドル(1兆7千億円)で、東南アジアでも有数の大型プロジェクトになるはずだった。
潮目が変わったのは3月末。インドネシアのジョコ大統領が、LNGの製造基地を陸上に建設するよう突如求めてきた。変更で現地雇用や建設機材の需要が生まれると判断したようだ。国際石開帝石では計画変更による建設費などを再度試算するが、数千億円単位で投資額が増えれば事業化を断念せざるをえない可能性もある。
経済産業省の幹部は「LNG需要の多い日本にとって有望な権益。何とか事業化してほしい」と語る。資源を豊富に持つ新興国では最近、国営企業の育成を重視し海外企業の参画条件を厳しくする例が増えている。巨額の資金が投じられる資源開発を政権の支持率アップなどに政治利用する動きもあり、資源を持たない日本にとっては難しいかじ取りが迫られそうだ。