著作権侵害裁判の被告、茂山組の社長からコメントをいただきました


先々週のことになるが、著作権侵害裁判の被告である株式会社茂山組の川田社長から、当ブログにコメントをいただいた。

当ブログの人気記事 茂山組という建設会社に写真を違法利用され、問い合わせても無視された” へのコメントだ。昨年4月に書かれたこの記事がこのところ「今週読まれた記事」にランクインしているのは、川田社長のコメント効果によるものかもしれない。おそらく昨今の読者の多くは茂山組関係者だろう。

このところ当ブログには検索語「茂山組」でのアクセスが多い。


01検索語

また、検索語「有賀正博」でのアクセス元が岡山や備前も頻発している。


02

「無料写真素材 有賀正博」でネット検索している人もいた。これも茂山組関係者だろう。ぼくの写真は無料ではないから、そんなワードでは何もヒットしないよ。

以下に、川田社長とぼくとの応答を転載する。





2016年3月16日 14:27
投稿者:茂山組川田


茂山組川田です。
このブログを拝見しコメントいたします。

まずこの写真は弊社スペイン子会社ネクサスリゾートという旅行会社のホームページで使用したことはまちがいありません。しかしながら担当のホームページ制作会社がインターネット上から無料画像として複数掲載されていた画像の中から添付したもので、決して盗む気などはありません。

指摘をいただき、すぐに、ホームページからの写真はとりあえず削除させました。その後有賀様から金銭要求がありましたが当方と見解が異なっていましたし、スペイン法人は別会社ですので、それに対しお答えをしていないのが現状です。

昨今インターネットを使った架空請求のような詐欺事件などもあり、有賀様の事もあまり存じ上げていないため、「写真を使っている、お金を払え」という請求に対しは慎重に見極めさせていただいております。

ゼストさんの厳しいコメントには驚きましたが、茂山組は素晴らしい社員と共にコンプライアンスを重視した健全経営をおこなっております。ご安心ください。

 

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2016年3月17日 12:12
投稿者:有賀正博


川田さん、久し振りです。

昨年5月に電話で話をしたときには川田さんはすでに当記事をお読みくださっていましたが、一年後の今になってコメントをしてくださったのは、社内外でさぞ当ブログが話題になりやむにやまれずのことだと思います。

川田さんの考え方はおかしいです。
当該写真の著作権者は私です。それは簡単に証明できます。裁判でも「誰が著作者か」は問題にされていません。私が著作権者であることを認めていないのは川田さん、あなただけです。

著作者を前にして「架空請求の件もある」「金銭要求された」などとおっしゃるのは社会人しての常識に反します。仮に、当初はそう考えたにせよ、私からの問合せのメールにも、内容証明郵便も、一切無視してよい理由にはなりません。対話を通じて解決できる問題なのに、はじめから対話を拒否したのはあなたです。

コンプライアンスを意識した会社なら「著作権侵害をしています」という問合せに「すぐに調査します」と対応するものではないでしょうか。しかしながら、茂山組東京オフィスの高田さんも、社長の川田さんも、「この写真は誰が撮ったものか分からないですからねえ」と繰り返すばかりした。あげくのはてにあなたは「有賀さんのしていることは当社への中傷です。訴訟しますがよろしいですね」などとおっしゃいました。著作者に対して非常に失礼な対応だと受けとっています。

この件が茂山組内外で問題視されているのは、茂山組のコンプライアンス意識が低いことを反映したものです。当ブログに送られた元社員のコメントや、現社員のメールを読めばわかります。地方の中小建設会社の社長という立場のあなたに対し、これまで周囲に誰もいさめる人がいなかったからやりたい放題なのでしょう。

これを機会に、茂山組がコンプライアンス意識を高めていくことを私は希望しています。



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2016年3月18日 11:35
投稿者:茂山組川田


 私は地方の岡山の建設会社社長であることは間違いありません。 しかし人のものを盗んではいけない事は両親から厳しく教育され無知な私でも知っております。過去インターネットの画像を有料で購入させていただいたこともありますので写真に権利のある事は存じ上げております。また著作権や肖像権のことも存じ上げております。

 私は有賀様のおっしゃる通り無知な地方の人間でした。今まで様々な人にだまされてきました、架空請求や詐欺にあった経験もございます。

 ですから、怪しそうな事は相手にいたしませんでした。 今回有賀様の事も存じあげないし、こちらは無料画像のなかから選んでいるという社員と取引先の言葉を信じ、正当に主張し法廷での判断をあおぎたいと考えております。もちろんその証拠はそろえてございます。

 有賀様の請求金額に対し、こちらが対抗する為の費用すなわち田舎から出ていく交通費や弁護士費用ははるかに高額になります、しかし弊社の誠実性を実証するためにはしかたないと考えております。 ご理解ください。


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2016年03月20日 20:01
投稿者:有賀正博


川田さん、誰であっても私の写真を無料でご使用にはなれません。

「無料だと勘違いしていたが、調査の結果そうではないことが判明しました。ご迷惑をおかけして大変申し訳ないです」とおっしゃるならともかく、川田さんはあくまで「あれは無料だ」と言い張ることで無料にできるとお考えのようです。そのようなことをして何が楽しいのか私には理解しにくいです。

当該写真が無料画像ではないことは告訴状の第9項に記したとおりです。あらためて訴状をよくお読みください。無料でないものを無料と言い張ることは良識ある社会人ならもとよりしない、できないことです。

無料画像の証拠はそろえているとのこと。拝見できること楽しみにしています。もしそれが 『Yahoo!で検索語「セビリア 無料画像」をいれてヒットしたのが当該写真だった』 という程度の主張なら世間の笑いものになるだけなのでおやめになった方が賢明です。「無料」で検索したものがすべて無料で手に入ると思い込んでいるならただただ浅はかな人たちだとしか言いようがありません。

コンプライアンスを軽視する会社社長が「弊社の誠実性」を主張することも世間の笑いものになっていることでしょう。私のもとには、茂山組の現社員の方から、そのような裏表のある社長の行いが社員として恥ずかしいとメールをいただいています。世間どころか社内の笑いものかもしれませんね。

なお、私は現在ヒマラヤ山中に取材に来ています。
当地の通信事情がかんばしくないこと、取材に集中したいこと、以上から今後も従来と同じ内容のコメントをいただいても返答をいたしかねます。もし、ご自分の非を認める気になったらあらためてコメントをなさってください。どうもありがとうございました。


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川田社長のコメントを読んで思ったこと



「担当のホームページ制作会社がインターネット上から無料画像として複数掲載されていた画像の中から添付したもので、決して盗む気などはありません」とは一見しおらしい。

ぼくがコメントしたように、彼らが無料と言い張る根拠は『Yahoo!で検索語「セビリア 無料画像」をいれてヒットしたのが当該写真だった』 という程度のものだ。それは昨年の第一回弁論の答弁書にそう書いてあったから、すでに分かっている。しかし「無料」で検索してヒットしたものがすべからく無料で手に入るわけがないことは、子供でも分かるはず。

これは 担当したWeb制作会社のITリテラシーが著しく低いということではないだろうか。茂山組 のITリテラシーが低いのは仕方がないとしても、Web制作会社がこんなことでいいのだろうか?  呆れて何もいえない。

この人たちは何を考えてこんな主張をしているんだろうか。

試しにYahoo!で「セビリア 無料画像」で検索したらフォトライブラリーの有料写真もヒットした。そこには値段表も書いてあるから笑える。

こんな主張をするWeb制作会社もまた、岡山県岡山市にある。


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グーグルストリートビューでみたらその位置関係に驚く。右マルが株式会社茂山組の看板、左マルがWeb制作会社が入居するビルだ。発注者と受注者が隣接している。コンプライアンス無視の建設会社とITリテラシー無しのWeb制作会社が並んで建っているのは、類は友を呼ぶということかね。

茂山組は当初、このウェブサイトはスペインで作成されたため無断転載の件は日本側では詳細が分からないと主張していた。しかしそれが嘘であることはあきらかだ。岡山市でつくっているくせに、「どうせわからないだろう」とタカをくくったのか、茂山組は嘘を重ねてシラを切ろうとしていた。

しかしぼくは、このWeb制作会社の誰が作業者だったかも知っている。

次に、川田社長は『「写真を使っている、お金を払え」という請求に対しては慎重に見極めさせていただいております』と述べている。

最初に問合せをしてからそろそろ一年近くが経つというのに、いつまで慎重でいるのだろう。もしかしたら川田社長の「慎重に見極める」は「放っておく」と同義語なんだろうか。

一見丁寧だが、その実、重要なことをなにも語っていないコメントであった。

実は、ぼくは川田社長が当ブログにコメントをした意図がよく分からない。言い訳が多いが、弊社の不徳を陳謝しているようにはぜんぜんみえない。最後の方は「裁判を受けて立つぞ」と言ってるようだから、するとやっぱり挑戦状かな、これは。


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『著作権侵害裁判の被告、茂山組の社長からコメントをいただきました』へのコメント

  1. 名前:H・岩崎 投稿日:2016/04/04(月) 01:43:20 ID:b9f286af3 返信

    有賀氏の勇気ある行動は、まとめサイトをはじめとする著作物を平然と盗用する悪質営利サイトの横行に対し、一石を投じるものだと思います。

    私事ですが、筆者は地元の観光サイトを作成するために、観光名所の撮影に日夜必死に励んでいます。
    個人サイトであってもそれが当たり前だと思うのに、法人の旅行会社が、自社のサイトで使う写真を自前で用意するのではなく、ネットでググって拾った=無断転載したものをつかうなどその感性が信じられません。

    少なくとも筆者ならそのような旅行会社は利用しません。

  2. 名前:ariga masahiro 投稿日:2016/04/04(月) 04:35:15 ID:b383fbeb0 返信

    岩崎さん、コメントをありがとうございます。

    ブログ記事の主旨をご理解いただき、嬉しいです。
    クリエイターが時間と体力と能力と経費を使って作品を作っているのに、あっという間に無断転載されて悔しい思いするケースが少なくありません。このようなネットの無法状態を変えていきたいです。微々たる一石ですが、これからもどんどん投じていきます。

  3. 名前:本山博秀 投稿日:2016/04/06(水) 02:21:55 ID:fdb612cbb 返信

    都内でアートディレクター、イラストレーターをやっている本山と申します。

    考えるまでもないですが、
    この裁判は確実に有賀様が勝つものと思います。

    私は長年著作権についても関わってきておりますが、相手の会社の言い分は、典型的な逃げ口実ですね。

    必要であれば銀座の一等地で事務所を構える、著作権に強い大物弁護士の先生もご紹介できます。

    とにかく、このような悪質な会社は絶対に許してはいけません。きつくお灸を据えてください。

    私も応援しています。
    通常料金の2倍の請求とは、随分良心的に思います。

    続報お待ちしておりす。

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