ユニクロが客離れに苦しんでいる。ファーストリテイリングが4日発表した3月の国内既存店の来客数は前年同月比8・6%減となり、2カ月連続で前年水準を下回った。2014年以降の値上げの後遺症が尾を引いている。一方、低価格戦略を維持してきたしまむらは3月の既存店売上高が11・8%増となるなど明暗が分かれた。
ユニクロは円安や原材料価格の高騰を背景に、14年秋冬物で平均約5%、15年秋冬物で同約10%の値上げを実施した。売れ筋の麻素材のシャツ「プレミアムリネンシャツ(長袖)」の価格は、3229円(税別価格は2990円)から4309円に上がった。
値上げと歩調を合わせるように来店客数は減少。15年6〜12月に7カ月連続で前年水準を割り込むなど客離れが深刻化した。今年2月にユニクロは一気に値下げに動いた。リネンシャツの価格は、値上げ前の3229円に戻し、ファッション性の高い「スリムフィットダメージジーンズ」など一部商品を1000円程度引き下げたが、客足の戻りは鈍いままだ。
一方、しまむらが4日発表した16年2月期の連結決算は営業利益が前年同期比8・4%増の399億円と3期ぶりに増益に転じた。
14年4月の消費増税以来、消費低迷が続くなか、再び低価格競争が激化しそうだ。