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せまひろかん

ネタとガチと小説的な物が存在している

せまひろかん

ネタとガチと小説的な物が存在している

勝手に刃牙シリーズのベストバウトを考えてランク付けしてみた

刃牙

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こんにちは。

@Sanyontama (さよたま)です。


刃牙道の宮本武蔵編は戦いよりも、武蔵の現代珍道中のほうが面白い気がしてならない。

大多数の人が現在の刃牙における物語とテンポのダメっぷりに文句を垂れていても、やはり注目されているというのが刃牙という作品。惹きつける物があることは間違いがない。

やはりバトルが始まると、その圧倒的な躍動感、コマとコマの間が自然と補完できる、漫画なのにアニメーションを見ている感覚に陥る。そんな画力が刃牙の魅力だ。

毎週のようにツイッターで感想をつぶやき、文句を言いいつつ、やはりバトルに関しては他の漫画より一つも二つもとびぬけているなと思うあたり、やはり刃牙が好きなんですよ。

 

今回はその刃牙シリーズにおける名勝負をランキング付けしてみた。この漫画は物語よりも絵で魅せる作品なので、これから刃牙という作品に触れる人、そうでない人への参考になれば幸いだ。

 

なお。

グラップラー刃牙

バキ

範馬刃牙

上記一連の刃牙シリーズからランク付けしていきトップ5を発表したい。

刃牙道は宮本武蔵編がようやく中盤といった雰囲気なので今回は除外する。

 

第5位 龍書文VSビスケット・オリバ(大擂台賽)

アンチェインが縛られてやがる。

死刑囚編で鮮烈な登場を果たし、今日に続く人気キャラとなったビスケット・オリバの大擂台賽における試合は外せない。

オリバは囚人でありながら、自由な生活を許可された特別な存在だ。衣食住のすべてが一般人以上であり、刑務所への出入りも自由自在という特異すぎる生活を送っている。

Mr不可拘束というオリバと同じ「アンチェイン」の異名を持つ龍書文との戦いは大擂台賽大将戦にも通じる「理と剛」そのものだった。

オリバの飄々としたキャラが次第に憤怒に変わっていく様が見どころであるが、その憤怒に至るまでの描き方がうまいのだ。読者を唸らせる龍の技。ポケットに突っ込んだ手を居合の要領で抜出、相手を傷つけるという荒唐無稽な技である。刃牙世界においては理解不能な技が多数でてくるので、深く説明することは避けておく。

オリバは弾丸でも通さないと自負する屈強を超えた紙の作りし彫刻のような肉体が武器である。そこに技は存在せず、己が作り上げた、俺が最も信頼する筋肉で力任せに相手を殴る、ぶん投げる。それだけなのだ。散弾すらも防ぐ屈強な肉体がいとも簡単に傷つけられるという衝撃から戦いは始まる。

息をつかせぬ高速技を繰り出す龍に対して、なすすべもなく縛られていく様は手汗が止まらなくなる。大擂台賽において必見の戦いと言える。

 

第4位 花山薫VS愚地克己(最大トーナメント)

死ぬか 死ぬのか克己!?

空手を終わらせた男と言われる愚地克己と最強の喧嘩師花山薫とのまさに死闘というべき、シリーズ屈指の名勝負だ。

強くなるために、刃牙シリーズで地上最強の男「範馬勇次郎」を倒すために空手に打ち込み、ついにはリーサルウェポンと呼ばれるまでに至った克己に対し、花山は鍛えることは女々しいと考えて一切トレーニングを行っておらず、天性の才能で勝利を手にしてきた稀有な男だ。

究極の自然体で挑んでくるヤクザ家業の花山に対し負けるはずがないと思い込んでいた克己が、予想外にも花山が技を使用してきたために、窮地が始まるのだ。ヤクザに負けるはずがないという自意識があだとなり、受けすらも通用しないという腕力に翻弄されて吐しゃ物をまき散らすほどに痛めつけられてしまう。

だが天才空手家克己は華麗な技の数々で花山へ打撃を与える。どちらが勝者になるのか読めない戦い。作者自身も書いている途中で勝敗を変更しようかと考えたと発言するほどに、本当に先が読めない、緊迫感に満ちた戦いが存在している

 

第3位 烈海王VS寂海王(大擂台賽)

握れるかね?握る勇気はあるかね?

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何といっても寂海王のキャラクターが強烈すぎる。紳士でミステリアスな見た目から考え付かないほどに、ダーティーな正体を持つ寂海王。烈海王という刃牙シリーズ屈指といえる人気と強さを持つ人物を相手に、寂海王が敵うはずもない。そんなふうに考えていた時期が俺にもありました

寂海王自身が烈海王に敵わないと気づいているからこそ、不意打ち、心理戦を仕掛け試合を有利に動かそうと画策するのだ。

自身が格下であると自覚しているからこそ成せるダーティーな技が繰り広げられる、試合開始直後に烈海王へ握手を求め、次の瞬間には関節技を仕掛ける。試合中に握手を何度も試みるなど、烈海王へ心理戦を仕掛け自分の土俵に引きずり込み知能犯を見せつけるなど、そのキャラクターが存分に発揮されている

その挑発じみた心理戦に烈海王が憤怒の表情へ変わり、ついには格下相手に使用すべきではない急所を狙うなど、烈海王に本気を出させた男である。

寂海王のキャラクター性から先の読めない、肝を冷やさせてくれる名勝負が登場している。

 

第2位 渋川剛気VSジャックハンマー(最大トーナメント)

坊主でもやってりゃ・・・ここで引き返しもできるんだろうがよ

どこかで聞いたことがある人も多い「達人は保護されているッ!」というセリフは渋川剛気に対する実況アナウンサーの発言だ。合気道を駆使する達人。子どもにも思える小柄な体系からは想像できない技の数々を使用し、巨体の敵を簡単にねじ伏せていく。

対してジャックハンマーはステロイド服用者だ。今日の勝利のために明日を捨てたと豪語するほどに肉体を苛め抜く、いや痛めぬいている。すぐ死んでも不思議ではないほどに大量の薬物を服用している。勇次郎を倒すためにステロイドに傾倒し、圧倒的な戦闘力を誇るジャックと達人渋川の最大トーナメントにおける名勝負である。薬対技の戦いだ。

最強の護身とは何か、と渋川は合気道の師に尋ねたところ「危険な相手に対しては肉体が戦いの場へ辿り着かぬように作用する」ということだ。門や崖の幻視や、転倒するなどで戦いの場へたどり着けぬように作用してくる。その究極の護身が完成したのがジャック戦直前だ。これだけで、ジャックの異様さが際立つ素晴らしい演出が完成している。

肉体が警鐘を鳴らしても引き返すことができない。武道家の性が、渋川の護身を打ち破ってしまうのだ。

渋川は速攻でジャックを捻りつぶすべく叩くのだが、護身は嘘をつかない。ジャックの木やヤシの実を噛み千切る噛合力で渋川のアキレス腱を噛み千切る。腕にかみついたまま全力のパンチを叩き込む。読むだけで痛みが伝わってくる描写が多い。

その圧倒的な力を翻弄する渋川の技が、決着を予想させないものにしており、ページを捲る手を止めなくさせるのだ。

アキレス腱が切れてもなお正座し、合気でジャックを翻弄する渋川の姿はまさに達人の気迫そのものである。

 

第1位 花山薫VSスペック(死刑囚編)

やっぱりあなた達はワカってない、花山薫という人物を--

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やはりその演出力がこの戦いを史上最高へと押し上げている。

喧嘩師花山薫と死刑囚スペックの名バトルだ。

スペックはアメリカの刑務所から脱獄した。その刑務所は水深200メートルの潜水艦なのだ。看守を惨殺し、無呼吸運動により地上への脱出を果たす。日本では刃牙に対し千切れた手首で握手を求め、あっけなく警察に捕まったと思えば独房の壁に穴をあけて自由に出入りする・・・。枚挙にいとまがないほど狂気を体現したキャラクターだ。

そのスペックと花山は公園で戦いを始める。

スペックの異様さを際立たせるために、重武装したえりすぐりの警察特殊部隊がいとも簡単に惨殺されるという警察側のシークエンスを挟む。しかし、実際には花山薫の一撃にスペックが衝撃を受けている。スペックの異様さと、警察力を凌駕する花山を交互に映し出すことにより、花山の強さが際立つと同時に、これほど危険はスペックが簡単に倒されるはずがない、と読者の期待を煽ってくれる。

花山はスペックを倒してしまう。傷つきぼろぼろになりながらも警察署へ「みやげだ」とスペックを差出、ここで戦いが終わる。

そう思わせておきながら全てを目撃したモブキャラの語りが始まるのだ。この語りが最高に素晴らしく、臨場感を高めると同時に花山への憧れを生んでしまうのだ。

全てを見ていたモブキャラ「片平恒夫巡査」が語る。何が起きたのか、スペックが、花山が、何をしたのかを克明に語る。息をのむ緊迫感が全身を包み、ページを捲る手が震えて汗ばんでしまう。

これは戦いではなく殺し合いという言葉が似合うほどに、壮絶な死闘が繰り広げられる。

条件付きで警察官にも機関銃の装備を認めるべき。そう語る片平巡査。

スペックは警察官を惨殺し、武器を奪って花山へ止めを刺しに来たのだ。

スペックが花山をおもちゃのように扱い、拳銃をも使用して痛めつけていく。警棒がひん曲がるほどに殴りつける。頭部を踏みつけ、両膝を打ち抜く。それほど痛めつけられてもなお戦い続ける男「花山薫」の雄姿が記憶に焼きこまれる、バキ史上最高の勝負。

殺されると思ったか?花山がですか?

やっぱりあなた達はワカってない、花山薫という人物を

 

そりゃああなっちまったら、普通は勝負ありだわ。ふつうは。

 

これは花山薫の話ですよ

 

男、花山薫。鮮烈強烈な名勝負。刮目せよ。バキ4巻から5巻にかけて刃牙、いやバトル漫画史上屈指の名勝負が繰り広げられている。

このモブキャラの語りこそが、この戦いを名勝負に押し上げた要因だ。この戦いにおけるMVPは片平恒夫巡査かもしれない。

 

 

 

 

刃牙にはこれ以外にも名勝負が多い。

やはり第1位は月並みと言われるかもしれないが、やはり花山薫VSスペックしかないのだ。発作を起こしたようにこの戦いだけは読みたくなってしまう。それほどの名勝負。

基本的に花山薫の戦いは名勝負になってしまう。奴の生きざまがとことん反映されており、最後まで勝敗が分からないというのが魅力なのだ。

 

勇次郎VS郭海皇の戦いもランクインさせたかったが、刃牙シリーズにはあまりにも名勝負が多すぎたため除外することにした。

もう一度刃牙を読み直し、今度は10位からのランキングを付けてみたい。

 

刃牙道の展開如何で、ベストバウトランキングが大きく変動するだろう。

 

 

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