タンス預金とは、銀行等の金融機関に預金せずに現金を保管することです。タンス預金と呼ばれるのは、日本ではタンスに現金が保管されていることが多いことに由来しています。欧米ではマットレスの下が典型的な保管場所らしいので、お国柄によって隠し場所が違うようです。
一般にタンス預金は、身近な所に現金を保管し、緊急時などに対応できます。その半面、利子が一切付かないため、インフレ時には価値の低下が起こるといわれています。また、金融システム不安時の金融機関の破綻リスクはありませんが、盗難や火災などによる消失リスクは常にあります。
しかし、タンス預金は人気で、バブル崩壊後からタンス預金の額が増加しているそうです。2012年末に、個人の財布や企業の金庫の中などで保有されたまま年を越すお金の総額は、前年末より3.2%多い86兆6533億円と3年連続で過去最高を更新したと日銀の調べでわかりました。
日銀が市場に多くのお金を供給する金融緩和策を強化する一方、家庭では、超低金利のため現金を銀行などに預けずに家で保管するタンス預金が増えているためとみられています。企業が設備投資などを控え、手持ちの現金を多く抱えていることも背景にあるようです。
タンス預金の意外なリスクは廃棄です。タンス預金といっても、タンス以外のリュックの中や本に挿んでいたり、花瓶、古いバッグなど、日常使用しないものの中に貯めたまま忘れてしまうということが多いようです。そうとは知らない家族が、本人が留守の間にリサイクルへ出すということもあるようです。出された物の中に数百万円が混じっていたというニュースが流れることもたまにあります。
アベノミクス効果などで銀行金利も徐々にですが、上がる兆しが見えてきています。ペイオフで1000万円までは預金の保護もされます。インフレで資産が目減りするようなら、元本保証の金融商品に預けるのも資産運用には良いかもしれません。