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この早川ノンフィクションが面白い2016SS

読書 まとめ

フィルターバブル──インターネットが隠していること (ハヤカワ文庫NF)

最近、あまりフィクションを読まなくなった。
冲方丁「マルドゥック・アノニマス」すら手を伸ばしていない。

今週は文庫になったイーライ・パリサー「フィルターバブル──インターネットが隠していること」*1を読んでいるところ。
ネットに仕掛けられた情報フィルターによる影響を考える一冊。

ビジネスマン向け新書より、この早川NF(ノンフィクション)を読む割合が多いのは、ミステリ、SFからの流れだろうし海外の名著が多いからかも知れない(田舎で消耗してるとかなんとかいう程度のしょーもない本がない)。

ペラペラのビジネスマン向け新書より、早川NF読むほうがよほど価値がある読書時間をすごせそうな気がする。
以下、そんな早川NFの中で読んだもの、オススメ、気になるものを。



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1.行動経済学

ずる――噓とごまかしの行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
ダン・アリエリー
早川書房
売り上げランキング: 55,248
早川NFは、なぜか行動経済学関連が手厚い。

ウチでも定番のダン・アリエリー「予想通りに不合理」「ずる」
「不合理だからうまくいく: 行動経済学で「人を動かす」」も早川NF。

azanaerunawano5to4.hatenablog.com

azanaerunawano5to4.hatenablog.com

ダン・アリエリーのほうが読みやすいんけれど、ファスト&スローもかなり面白い。
「小飼弾氏絶賛!」とダン・アリエリーの帯につられて読んだ認知額や社会学について書かれたダンカン・ワッツ「偶然の科学」もいいが、あまり読んだ記憶が脳に残らないのはなんだろう?(いい本だったような記憶が……)
どれも読んで損なし。

ファスト&スロー (上)
早川書房 (2012-12-28)
売り上げランキング: 514

偶然の科学
偶然の科学
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早川書房 (2014-04-01)
売り上げランキング: 10,052

2.経済

ウォール街の物理学者
早川書房 (2014-04-01)
売り上げランキング: 10,522
ウォール街における電子取引の道程を書いた本は幾つかあるが(クリストファー・スタイナー「アルゴリズムが世界を支配する」など)中でもジェイムズ・オーウェン・ウェザーオール「ウォール街の物理学者」とマイケル・ルイス「フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち」は一読の価値がある。
自動化されたウォール街、ブラックボックスの闇。
azanaerunawano5to4.hatenablog.com

ちなみにダン・アリエリーと同じくマイケル・ルイス作品を追うと早川NFが中心になる。

映画化した「マネーボール」に「ライアーズ・ポーカー」(未電子書籍化)
そして「マネーショート」として映画化された「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」も早川NF。
(20Pくらい読んで積んでる……)

世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫)
文藝春秋 (2016-01-15)
売り上げランキング: 143
マイケル・ルイスのフィクション作品はあまり読まないが、ノンフィクションではハズレのない印象。

お金の成り立ちや過去のバブルなど金にまつわる歴史を紐解く「マネーの進化史」もなかなか重厚な情報量。
重厚すぎて進まないったら……半分は読んだんですけどね。

マネーの進化史 (ハヤカワ文庫NF)
早川書房 (2015-10-30)
売り上げランキング: 12,769
早く読みきらないと次に行けない……。


気になるのがリーマン・ショックの関係者に取材した「リーマン・ショック・コンフィデンシャル」
《フィナンシャル・タイムズ》紙の年間ベストに選ばれた本だそうで。
映画「インサイド・ジョブ」と合わせるのにちょうど良さそう。

リーマン・ショック・コンフィデンシャル(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
アンドリュー・ロス ソーキン
早川書房
売り上げランキング: 20,304
 
ルチル・シャルマ「ブレイクアウト・ネーションズ 大停滞を打ち破る新興諸国」は、早く読まなきゃならないのに後回しになってしまってる。
世界経済の流れは早く、情報はすぐ風化する。
なので次はこれの予定。
ブレイクアウト・ネーションズ 大停滞を打ち破る新興諸国
早川書房 (2013-03-29)
売り上げランキング: 66,849
 
 

3.数理を愉しむシリーズ

リスクにあなたは騙される (数理を愉しむ)
ダン・ガードナー
早川書房
売り上げランキング: 95,113

早川から定期的に出している「数理を愉しむシリーズ」
どうにも数学に苦手意識があるので避けがちだが、こういう辺りから手を出していきたい。


4.気になる数冊

まだ未読だが気になるもの一覧。
面白そうなタイトルが多いのに時間がないって言う(誰か養ってくれないかしら)。

シャーロック・ホームズの思考術 (ハヤカワ文庫NF)
早川書房 (2016-01-15)
売り上げランキング: 18,827

脳科学や心理学など多面的な視点からシャーロック・ホームズ流思考にアプローチしようと言う一冊。
これはぜひ読みたい。

そして同様、脳科学などにより人間の成長にアプローチする「あなたの人生の科学」は失業したら絶対読む。
評判もいい。
いや、失業したらそれどころじゃ(ry

あなたの人生の科学(上)誕生・成長・出会い (ハヤカワ文庫NF)
デイヴィッド・ブルックス
早川書房
売り上げランキング: 20,766
戦場の掟 (ハヤカワ文庫NF)
早川書房 (2015-09-30)
売り上げランキング: 9,024

民間軍事警備会社の内幕もの(つまりマージナルオペレーションな)スティーヴ・ファイナル「戦場の掟」も読むので少し待ってください(これも積んでる)。
「CIAの秘密戦争」にまでは手が回らない。
 
 
……という感じで、早川NFだけでも全然追いつけてない。
たまに「どんな本を読んだらいいかわからない」ってひとがいるが……羨ましい。

こうなったら速読勉強すっかね(ため息をつきつつfadeout……)。

*1:旧題:閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義